KAMIYAMA Reports vol. 114

  • 政治スキャンダルと株式相場には、うっすらとした関係がある
  • 日本の政治が日本株式に影響を与えるとすれば、ごく短期的
  • スペイン、イタリアの不安定さと、国債利回りやユーロへの影響

政治スキャンダルと株式相場には、うっすらとした関係がある

もり蕎麦とかけ蕎麦があるとすれば、“もりかけ” (森友学園を巡る用地売却問題と加計学園の学部設立を巡る問題、以下、モリカケ問題)と相場(そーば)に関係があってもおかしくはないが(おかしいが)、一般に政治スキャンダルなどによる不安定さが、なぜ株式市場と関係するのかについて考えておきたい。短期的には経済や企業収益との関係は薄いが、長期的には無関係でもない。原因と結果の関係を押さえておけば、今後、政治スキャンダルがあっても、金融市場への影響度合いを考える際に見聞きする報道の価値判断がしやすくなるだろう。

政治が経済や企業収益に与える影響は、民主主義の先進国では一般に小さいはずだ。企業は、なるべく安いコストで原材料、労働力、機械などを手に入れ、商品を生産して販売し、利益を上げる。利益が株主還元されなければ、その分が次の設備など、成長の糧として事業に投入される。このように考えると、政治の出る幕はないように見える。