投資環境概観

7月の株式市場は、投資家の焦点が貿易戦争から、高い期待をもって待ち望まれていた第2四半期決算発表シーズンの始まりへと移るなか、悲観ムードがひとまず後退した。本稿執筆時点ではS&P500構成企業の53%が決算発表を終えているが、EPS(一株あたり利益)が事前予想を上回った企業の比率は80%を超え、売上高が事前予想を上回った企業の比率もほぼ80%となった。米国からは良いニュースが続いて、第2四半期の経済成長率が4%超と2014年以来の高水準に達し、なかでも消費支出の伸びは事前予想を上回る4%へと加速した。米国以外に目を向けると、中国では、政策当局が政策を多少緩和させるシグナルを発したことで、株式市場にようやく安堵感が見られたほか、欧州株式は、トランプ米大統領とユンケル欧州委員長の貿易協議が成功裏に終わった様子であることを受けて、大きく上昇した。