11月の米国債市場は上昇した。月中、米国株式市場が不安定な動きを見せたのに伴って利回りが低下した。米中の貿易交渉における対立のニュース、中国の経済指標の低迷、世界的な原油価格の急落が、利回りを一段と押し下げた。
2018年の最終数週間を締めくくり来年に待ち受ける課題を見据えるにあたって、投資家にとって困難で苛立たしい年であったこの1年を振り返らずにはいられない。
11月のアジア株式市場(日本を除く)は、世界の経済成長をめぐる根強い懸念やテクノロジー関連株の下落にもかかわらず、米ドル・ベースのリターンが5.3%となった。
12月初旬、逆イールドショックと呼ばれる株式市場の下落が見られた。3月13日付KAMIYAMA Reportsにも書いたように、仮に、短期金利が長期金利よりも高くなったとして(逆イールド)、それが原因で景気が悪くなるという因果関係があるわけではない。
2019年に世界の経済成長率は減速する、との声が聞かれる。しかし、IMF(国際通貨基金)は17年(実績)、18年、19年の世界経済の成長率予測を同水準の3.7%としており、減速するとの予測はしていない。