本レポートは、2020年8月4日発行の英語版「ASIAN BONDS – AN OPPORTUNITY」の日本語訳です。内容については英語の原本が日本語版に優先します。

投資機会

本レポートは、独立資産クラスとしてのアジア債券への配分がポートフォリオの投資リターンを大きく向上させ得るという当社の考えをまとめたものだ。当社では、アジアの現地通貨建て債券と米ドル・ハードカレンシー建て債券の両方またはいずれかへの投資が、投資家に以下のような恩恵をもたらし得るとみている。

成長が速く大規模でありながら見逃されているアジア地域の経済に投資

アジアは世界のなかで最も成長が速い地域の1つである。この成長は、アジア債券への投資について説得力のある論拠を提示している。アジア(日本を除く)の各国経済は、中国の繁栄に支えられ、先進国を大幅に凌ぐペースで成長してきた。

世界のGDP(国内総生産)に占めるアジアの割合は、1998年には9%だったが、足元では約35%となっている。

グローバル債券のインデックスには、アジア経済の規模の大きさが反映されていない。世界のGDPにおいて3分の1を占めているにもかかわらず、債券市場に占めるアジアの割合は低く、例えばブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスにおける構成比率は7%にすぎない。これはもちろん、そのようなインデックスが、債券発行残高の大きい国・地域の構成比率がより大きくなるように構築されているからだ。

アジア債券は新興国市場の一部として投資配分が行われている場合が多いが、投資家はその先を見越すことも必要だ。アジア債券市場は、その規模や強み、クオリティからして、「新興国の一部」というレッテルが必ずしも相応しくない。当社では、独立した資産クラスとしての投資配分が妥当であると考える。

当社では、アジア債券市場の厚みや幅、多様性が現在の水準から一層増すと予想しており、これらの特性が資金調達源のさらなる分散に必要なアジア域内での投資資金フロー、そして発行体の知識向上を要因としてさらに強化されるとみている。

より高い利回りとより大きいスプレッド

アジアの現地通貨建て国債は、米国債や他の先進国の国債に比べて、相対的に魅力度の高いキャリーを提供している。世界が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の抑制に取り組むなか、債券利回りは過去最低水準へと低下しているものの、多くの国でマイナス利回りとなっている(ブルームバーグ・バークレイズ国債インデックスの30%超)先進国の債券に比べれば、アジアの実質利回りは依然魅力的だ。同様に、アジアのクレジットものも、欧米の同等格付けのクレジットものに対して信用スプレッド・プレミアムを提供している。

より優れたリスク調整後パフォーマンス

アジア債券は、グローバル債券や他の地域別債券に比べて、リスク調整後リターンがより優れている。現地通貨建てアジア債券は、ブルームバーグ・バークレイズのインデックスでみたグローバル債券やグローバル国債、新興国国債といった市場よりも高いシャープレシオを示している。同様に、アジアのクレジット市場は投資適格債・ハイイールド債ともに、先進国および新興国両方のクレジット市場に比べて相対的にボラティリティが低くリターンが高い。アジアで国内・域内の投資家層が拡大していることは、同地域の現地通貨建て債券およびハードカレンシー建て債券両市場にとって強力なサポート要因となっている。

アクティブ運用による投資機会

多様で拡大しているアジア債券の投資ユニバースにおいて、当社の経験豊富な債券チームは幅広いタイプのアジア債券ポートフォリオをアクティブ・スタイルで運用している。当該チームはアジアを拠点としており、同地域における投資機会とリスクを熟知している。ダイナミックなアジア市場には、同市場に特化するポートフォリオ・マネージャーにとって優れた投資機会が存在すると考える。本レポートでは以下、現地通貨建て債券とハードカレンシー建て債券について考察する。アジア債券へは独立した資産クラスとして投資配分を行うべきとの当社の考えが、お客様の資産運用の一助となれば幸いである。

現地通貨建てアジア債券市場

現地通貨建てアジア債券市場は主に各国内の現地通貨建て債券から成り、その大半が各国政府および主要な準ソブリン発行体によって発行されたものだ。当社では、当該市場にポートフォリオの一部を配分することによって、投資家がアジア域内の様々な債券・通貨市場へのエクスポージャーに加え対米国債で相対的に魅力度の高いキャリーを得られると考える。

市場規模は18兆米ドルへと大きく成長
現地通貨建てアジア債券市場は、同地域の各国政府が1990年代後半のアジア金融危機を経て市場の発展に力を注いできたことから、年月の経過とともに大きく成長して現在の規模は約18兆米ドル相当となっている1。その大半はアジアの国債および準ソブリン債で占められているが、現地通貨建て社債市場も存在し台頭しつつある。当該資産クラスは、各国内投資家からの強力なサポートと相対的に高い貯蓄率を追い風として発展・進化を続けている。

多額の外貨準備によって通貨変動リスクがより制御可能に
アジア諸国の国内投資家が現地通貨建て債券を魅力的な資産クラスとして認識するようになってきた一方、近年では外国投資家による市場参加も増えている。アジアの各国政府は、中国を筆頭に、国内市場の改革と外国投資家規制の改善を続けている。同地域には多額の外貨準備があることから、域内諸国は投資資金の大規模な流出が起きた場合でも通貨変動リスクをより制御しやすくなっている。

経済においては大きな割合を占めているもののグローバル債券インデックスに占める割合は小さい
アジアは世界経済の35%を占めているが、グローバル債券のインデックスに占めるアジア(日本を除く)の割合は依然として比較的小さい。例えば、バークレイズ・グローバル総合債券インデックスでは、アジア地域(日本を除く)の現地通貨建て債券の構成比率は7.0%程度にすぎない(チャート1参照)。一方、グローバル新興国債券ではアジア債券の占める割合がより大きい。それでも、アジアの一部の国はすでに「先進国」に分類されているため、域内のすべての債券市場が含まれているわけではない。しかし、地域として現地通貨建てアジア債券への配分を行えば、投資家は同地域の様々な債券・通貨市場にわたる十分なエクスポージャーを確保することができる。

チャート1

多様な投資適格級の国債

投資適格格付けを誇る多様な経済諸国の一群
アジア地域(日本を除く)は多様な経済諸国の一群から成り、世界のなかで最も成長が速い地域の1つである。信用クオリティの点では、十分に発達した国内債券市場を有する国はすべて投資適格の信用格付けを付与されている(表1参照)。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、各国が公衆衛生および経済の危機を食い止めようと奮闘するなか、同地域の経済成長に大きな影響を与えているが、パンデミックの経済への影響を低減すべく積極的な金融・財政政策対応が講じられている。

表1

政府の賢明な財政スタンスにより債務水準は概して低い
アジアの債務の対GDP比率は、世界の他の地域に比べ概して低い(チャート2参照)。これは、アジアの大部分の政府が賢明な財政スタンスをとり過剰な借り入れを避けてきたからだ。

チャート2

市場流動性や信用クオリティ、投資のしやすさを考慮した分散度のより高い構成
現地通貨建てアジア債券のインデックスであるMarkit iBoxxアジア・ローカル・ボンド・インデックス(ALBI)は、約6兆米ドル相当の既発債をカバーしている。このインデックスの大部分は国債および準ソブリン債であり、この2セクターでiBoxx ALBI全体の93%を占める(表2参照)。現地通貨建てアジア債券のインデックスは、市場の時価総額だけでなく市場流動性や信用クオリティ、投資のしやすさといった他の要素も考慮して構築されている。これにより、現地通貨建てアジア債券への投資において重要な要素を考慮した、分散度のより高い構成につながる(チャート3参照)。

表2

チャート3

より高い利回り

アジアの実質利回りはG3諸国に比べ依然としてより魅力的
アジアの現地通貨建て国債は、米国債や他の先進国の国債に比べて、相対的に魅力度の高いキャリーを提供している(チャート4およびチャート5参照)。世界が新型コロナウイルスのパンデミックの抑制に取り組むなか、債券利回りは過去最低水準へと低下しているものの、アジアの実質利回りは依然G3諸国に比べてより魅力的な水準にある。グローバル債券市場では多くの国の利回りが今やゼロを下回っており、2020年5月末時点でブルームバーグ・バークレイズ・グローバル国債インデックスの約32%がマイナス利回りとなっている。

チャート4

チャート5

より優れたリスク調整後リターンおよび分散度

現地通貨建てアジア債券のインデックスであるALBIは、利回りが魅力的で相対的に強い通貨の構成比率が高いことから、世界金融危機以降、ブルームバーグ・バークレイズのグローバル総合インデックスやグローバル国債インデックスなど、主に現地通貨建て国債で構成されるグローバル債券インデックスに比べて、より優れたパフォーマンスを見せてきた(表3参照)。現地通貨建てアジア債券は、同地域以外の現地通貨建て新興国債券に比べてボラティリティが大幅に低く、新興国内における「安全な避難先」としてのクオリティが際立っている(チャート6参照)。

表3

チャート6

現地通貨建てアジア債券は、G3諸国の債券市場に比べて市場特性が異なるため、グローバル債券の投資家に分散効果を提供する。チャート7が示す通り、米国債、日本国債またはユーロ圏国債のポートフォリオにアジア債券を加えると、その相対的な相関性の低さと利回りの高さから、ポートフォリオのリスク対比リターン特性が向上する。例えば、ユーロ圏国債のポートフォリオは過去10年の年率換算リターン(米ドル・ベース)が3.3%、同ボラティリティが9.1%であるが、これに50%の配分でアジア債券を加えたポートフォリオでは同期間の同リターンが3.6%、同ボラティリティが6.9%となる。

チャート7

ハードカレンシー建てアジア債券市場

ハードカレンシー建てアジア債券市場は、主にアジアの発行体による米ドル建てクレジットもので構成されている。アジア域内の発行体は、規模の大きい新規発行を行う必要がある場合に当該市場にアクセスする。これらの発行体には、企業だけでなく、ソブリン機関や多数のソブリン関連発行体も含まれる。アジア・クレジットの投資家が資金を配分する先は通常、そのようなソブリン債や準ソブリン債である。これらの発行体は、より大型の起債を行うことができ、ディールに参加する投資家の数がより多く、銘柄の流動性がより高いからだ。また、信用格付けもグローバルな信用格付け基準に基づいている。

総額1兆米ドルの市場規模、非常に幅広い発行体構成
アジア・クレジット市場は、概してハードカレンシー建て債券市場のことを指し、アジア(日本を除く)の発行体による米ドル建て債券で構成されている。発行残高が2019年に1兆米ドルを突破した同市場は、厚みや幅、多様性が増しており、域内17ヵ国・行政区からの投資適格級、非投資適格級および無格付けの発行体数は600を超える。アジア地域のファンダメンタルズ面における力強い成長だけでなく、「現地勢買い」の台頭に見られる域内投資家からの需要の高まりといった需給要因も、当該資産クラスのサポート材料となっている。資本フローや海外投資家のアクセスに関する規制、通貨規制、信用格付け枠組みが各国のクレジット市場によって異なる場合があるため、海外投資家にとっては、オフショアの米ドル建てアジア・クレジット市場の方がアジアのクレジットものへのエクスポージャーを得るルートとしてより容易でアクセスしやすいと言える。

チャート8

国別およびセクター別配分のカスタマイズ
2011年以降、ハードカレンシー建てアジア債券市場の新規発行を牽引してきたのは中国の発行体である。中国の巨大な経済規模やグローバル金融市場への融合進行を考えれば、納得できる傾向と言える。中国の発行体は近年、ますますオフショア市場を利用するようになっており、その発行額はアジア地域(日本を除く)に占める中国経済の割合の高さに見合う水準へと向かいつつある。長期的には、中国の成長が緩やかなになる一方で他の国やセクターの発行体がオフシェア市場での資金調達を増やすにつれ、中国の発行体の圧倒的なシェアが次第に低下してくと予想される。ハードカレンシー建てアジア・クレジットで発行残高の上位を占めるのは、ソブリン、準ソブリン、金融、不動産、テクノロジーおよび石油・ガス・セクターだ。アジアのクレジットものへの投資にあたって、投資家の間では国またはセクター別ウェイトの偏り(例:中国の比率)を懸念する声があるが、そのような懸念は分散型インデックスをベンチマークとして用いるか国・セクター配分をカスタマイズすることで軽減可能である。

表4

アジア地域のファンダメンタルズが引き続き追い風に

アジアのクレジット市場は他の新興国クレジットに比べて全般的に信用クオリティが高い
アジア(日本を除く)は、世界で最も急速な成長を遂げている地域である。このことは、負債の返済原資となる収入を支えるだけでなく、成長のために必要となる資金調達需要も促進する。この最も分かりやすい例である中国は、急速な成長を支えるための資金調達を進めるにつれ、(現地通貨建てと米ドル建ての両方において)債券の主要な発行供給源となった。同時に、同国は、貯蓄率が対GDP比で高水準にあることから、国内の投資資金が適切な投資先を求めるなかで債券の主要な需要源ともなっている。米中貿易戦争の影響に晒されてきたにもかかわらず、中国のクレジット・ファンダメンタルズは近年改善している。新型コロナウイルスの流行を抑えるための封じ込め措置は、世界各国の経済に一時的だとしても深刻な打撃を及ぼす見通しであり、企業や金融機関、そしてソブリンでさえもクレジット・ファンダメンタルズが悪化するとみられる。結果として、格下げの動きが相次ぐことは避けられないであろう。当面は経済成長への厳しい逆風に直面しているものの、アジアでは各国政府が強力かつ積極的な政策対応に出ており、同地域の長期的なファンダメンタルズは依然損なわれていない。アジアのクレジットものは、発行体の多くが中央政府の関連機関または中央政府にとって戦略的に重要な機関であることから、他の新興国のクレジットものに比べて全般的に信用力が高い(チャート9および10参照)。

チャート9

チャート10

アジアのスプレッド・プレミアム

アジアのクレジット市場は、新型コロナウイルスの世界的流行を主因としてボラティリティが極度に高まった。大幅に振れた信用スプレッドのバリュエーションは、新型ウイルスの感染流行が収束し経済が回復に転じれば縮小に向かうかもしれない。当社では、アジアの信用スプレッドが大幅に拡大している足元の状況は、中・長期スタンスの投資家にとって同市場にエントリーする好機となり得るとみている。同地域のクレジットものは引き続き、同等の格付けを有する米国のクレジットものに対し、信用スプレッドにおいて魅力的な「アジア・プレミアム」を提供している(チャート11および12参照)。

チャート11

チャート12

需給面での強力な追い風

「現地勢買い」の台頭 ― 2019年にアジア債券の78%を買ったのはアジアの投資家
アジア地域のファンダメンタルズ面における力強い成長だけでなく、「現地勢買い」の台頭に見られる域内投資家からの需要の高まりといった需給要因も、当該資産クラスのサポート材料となっている。当社では、アジアのクレジットものに対する域内投資家からの旺盛な需要が継続すると考えている。この需要が支えとなり、アジアのクレジット市場は、世界的に見て他の新興国のクレジット市場に比べ相対的に「安全な逃避先」であり続けている。域内における富の増加は、同市場に需給面での強力な追い風をもたらしている。アジア地域と他の新興地域の間における決定的な違いは、現地投資家による保有比率だ。中南米や中東では、2019年に発行された現地発行体の債券のうち現地の投資家が購入した割合がそれぞれ9%、20%に過ぎなかったが、アジアの投資家は同年に発行された現地発行体の債券の78%を購入している(チャート13参照)。このことは、アジア債券市場のボラティリティの抑制に大きく寄与している。

チャート13

当社では、アジアの投資家が引き続き米ドルおよび他の外貨建ての債券へと投資先を分散させていくと予想している。このことは米ドル建てのアジアのクレジットものにとって良い兆しである。また、アジアのオフショア・クレジット市場は、現地通貨建てクレジット市場に比べて相対的に規模が大きく流動性が高い傾向にあることから、利回りを求める投資資金の動きも需要のサポート材料となるだろう。これらの需要面の要因は、アジアのオフショア・クレジット市場における供給拡大を促すと考えられる。同時に、中国人民元の下落リスクが、米ドル建て中国資産に対する中国国内投資家からの需要増加につながる可能性もある。そのような動きは、これまで現地勢によるアジア債券買い意欲に大きく寄与してきた。

優れたリスク調整後リターン

世界金融危機以降、アジアのクレジット市場は、良好なリターンを相対的に低いボラティリティで達成してきており(チャート14参照)、世界的に見て他の新興国のクレジット市場に比べ相対的に「安全な逃避先」であり続けている。アジア地域の良好な需給バランスが、特に市場ボラティリティの高い局面において、アジアのクレジットものを下支えしてきた。当社では、今後、域内の投資資金フローが引き続き拡大し資金調達ニーズがさらに多様化するとともに発行体の知識が一段と向上するにつれ、アジアのクレジット市場は進化を続けていくものとみている。

チャート14

日興アセットの豊富なアジア債券運用経験

日興アセットは、アジア債券運用の歴史が長く、30年以上にわたってアジア債券市場に投資してきた実績がある。専任のアジア債券運用チームは業界屈指の規模を誇り、所属する運用プロフェッショナル14名のアジア市場での平均運用経験年数は14年に上る。チームメンバーは様々な国での経歴を有しており、このためチームはアジア域内の多様な文化を理解し現地の言語でコミュニケーションをとることができる。当チームのポートフォリオ・マネージャーやリサーチ・アナリストは、個々の国やセクターに固有の特色を深く理解する力を磨き、様々な市場サイクルを通して当社ファンドの舵取りに手腕を発揮してきた。

また、当チームはアジア現地で運用を行っており、アジア域内の個々の国、セクターおよび発行体に固有のリスクを把握している。アジアに特化したチームを有する運用会社は、高い専門性と現地市場および債券発行体に対するより深い理解によって、トップダウンとボトムアップの両方の観点から超過収益を提供することができるため、そうした運用会社に運用を託すことで投資アイデアの選択肢が増すことになる。

日興アセットでは、地域特化型やシングル・カントリー型の様々なアジア債券戦略を運用している。アジア債券に特化するチームを有しており、機関投資家および個人投資家向けに投資戦略をカスタマイズすることが可能である。

  • 地域特化型の現地通貨建てアジア債券 ― 当社の現地通貨建てアジア債券戦略は、アジア諸国の国内債券市場に投資する。地域特化型の現地通貨建てアジア債券のベンチマークではすでに中国の債券・通貨が採用されているが、当社のポートフォリオ・マネージャーは以前から同市場をカバーし分析を行ってきている。
  • シングル・カントリー型の現地通貨建てアジア債券 ― これらの戦略には人民元建て、シンガポールドル建ておよびインドネシアルピア建ての債券が含まれる。2010年、当社はいち早くオフショア人民元建て債券ファンドを設定したが、以来同ファンドは良好なパフォーマンス実績を築いており、順調に投資資金が流入している。2014年には当社のRQFII(人民元適格外国機関投資家)割当枠を用いて、シンガポールで他社に先駆けてオンショア人民元建て債券ファンドを設定した。当社では、アジア諸国の現地通貨建て債券市場において、アクティブ運用戦略だけでなくパッシブ運用戦略も展開している。2005年、当社はシンガポール初の上場投資信託(ETF)となるABF Singapore Bond Index Fundを設定した。2018年には、アジア地域初の現地通貨建て社債ETFとして、シンガポールの現地通貨建て債券市場に投資するNikko AM SGD Investment Grade Corporate Bond ETFを設定した。
  • ハードカレンシー建てアジア債券(投資適格およびハイイールド・クレジット) ― 当戦略は、米ドル建て債券市場におけるアジアの多様なソブリン債および社債発行体ユニバースへのエクスポージャーを投資家に提供する。当社では、ハードカレンシー建てアジア・クレジット市場のユニバース全体を投資対象として、アジアの投資適格クレジットのみに特化した戦略やアジアのハイイールド・クレジットのみに特化した戦略を運用しているほか、アジア・クレジットの複合戦略として、投資適格クレジットとハイイールド・クレジットの両方に投資するアジア社債戦略も運用している。また、顧客の指定する投資ガイドライン要件に合わせた戦略のカスタマイズも対応可能である。

当チームの投資プロセスでは、トップダウン戦略とボトムアップ戦略の両方を駆使して、複数の超過収益源泉からリターンを上げることを目指している。独自のFVT(ファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル)フレームワークを用いたリサーチ手法により、トップダウンとボトムアップの見解を抽出する。また、当社のクレジット・リサーチ・チームでは外部の信用格付機関とは別に独自の発行体評価を行っているが、それにあたって2006年から用いている社内格付モデルは、長期にわたり様々なストレス局面を通じてその堅固さが実証されており、当社運用チームによる信用リスク管理の防衛最前線の役割を果たしている。リスク管理は運用プロセスの一部として組み込まれており、このダイナミックで反復的なプロセスを通じてあらゆるリスクを分析・評価している。

参考情報

参考情報1

参考情報2

当資料は、日興アセットマネジメント(弊社)が市況環境などについてお伝えすること等を目的として作成した資料(英語)をベースに作成した日本語版であり、特定商品の勧誘資料ではなく、推奨等を意図するものでもありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社のファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。資料中において個別銘柄に言及する場合もありますが、これは当該銘柄の組入れを約束するものでも売買を推奨するものでもありません。当資料の情報は信頼できると判断した情報に基づき作成されていますが、情報の正確性・完全性について弊社が保証するものではありません。当資料に掲載されている数値、図表等は、特に断りのない限り当資料作成日現在のものです。また、当資料に示す意見は、特に断りのない限り当資料作成日現在の見解を示すものです。当資料中のグラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。当資料中のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。なお、資料中の見解には、弊社のものではなく、著者の個人的なものも含まれていることがあり、予告なしに変更することもあります。