中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、1月下旬から2月中旬にかけて中国全土に感染が拡大しました。2月下旬に、中国国内では新規感染者数が減少傾向となったものの、中国以外で感染が拡大したことを受け、世界株式は2月中旬に高値を付けた後、大幅に下落し、3月の金融市場は波乱の展開となりました。以下、足元までの各資産の状況を振り返ります。

3月上旬には、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を0.5ポイント引き下げたものの、緊急利下げを受けて、感染拡大に伴なう経済への悪影響が改めて意識されたほか、その後のOPEC(石油輸出国機構)プラス会合で、シェア低下を恐れるロシアが、原油減産の延長・強化に反対して協議が決裂したことで、原油価格が急落し、株式市場の下落につながりました。こうしたなか、感染拡大が続くイタリアなどを除き、主要国の国債や金は堅調な推移となりました。

3月中旬は、米国や欧州での感染拡大を受けて、トランプ米大統領が欧州からの渡航を制限し、新型コロナウイルスとの闘いは7~8月以降まで続く恐れがあると述べたほか、米景気が後退する可能性を指摘したことで、景気悪化懸念が高まり、世界的な株安、原油安となりました。投資家のリスク回避的な行動が強まるなか、世界の金融市場で換金売りの動きが加速したことで、安全資産とされる国債や金も売られ、米ドルが上昇する展開となりました。それに加え、各国政府が景気対策のため、大型の財政政策を検討・打ち出し始めると、国債の増発懸念から、金利上昇に拍車がかかり、それを嫌気して世界REITは大幅な下落となりました。

3月下旬は、米議会で交渉が難航していた新型コロナウイルスに対処する大規模経済支援策で、与野党の合意成立が近いとの期待が高まり、株式やREITが大幅に反発しました。投資家の過度な懸念が和らぎ、国債や金も上昇する展開となりました。

このように金融市場では、不安と期待が交錯するような状況となっています。しかし、世界的な株安の根源である新型コロナウイルスは、米欧を中心に感染拡大が続いています。足元の株価上昇が相場の大きな転換点なのかどうかを判断するには、時期尚早とみられますが、投資家に魅力的な投資機会を提供していると捉えることもできます。

【図表】世界の株式、国債、REIT指数および、原油、金価格の推移
  • (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
  • 上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。