中国の債券市場は、米国に次ぐ世界第二位の市場規模に成長しました。なかでも国債市場は、当局による市場開放や規制緩和の進展などに伴ない、海外からの投資が容易になったことや、相対的に高い利回りを背景に、外国人投資家を中心に注目が高まっています。また、格付会社による評価も高く、ムーディーズ社「A1」やS&P社「A+」と、日本など主要先進国と同等水準の信用格付が付与*されていることなども魅力のひとつとなっています。
資料作成時現在、自国通貨建て長期債格付

足元での市場の関心事は、主要債券指数への中国国債の組入れが相次いでいることです。2019年4月からブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合指数に、2020年2月からJPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツに、中国国債などが組入れられました。そして先月24日には、2021年10月からFTSE世界国債指数(以下、WGBI)に中国国債が組入れられることが発表されました(組入れの最終確定は2021年3月)。これらを背景とした組入れへの期待から資金流入が加速し、外国人投資家による中国国債の保有残高は、9月末時点で1.68兆人民元と過去最高額となりました。WGBIに連動する値動きをめざすファンドは多く、同指数への組入れが人民元の需要拡大に繋がることに加え、投資先の分散を図りたい投資家に投資機会の拡大をもたらすと考えられます。特に、指数に連動した投資成果をめざすパッシブ運用(ETF(上場投資信託)やインデックスファンドなど)を行なう機関投資家などは、組入れられた国債を指数のウエイトに基づき買い入れるため、こうしたパッシブ運用による多額の資金が中国国債市場に流入することが見込まれます。また中国国債は、他の主要国債・社債などと異なる値動きをする(相関が低い)傾向にあることから、ポートフォリオの一部に加えることでより分散投資効果が期待される点においても、投資家に選好されると考えられます。

代表的な先進国国債指数であるWGBIに中国国債が組入れられることで、中国債券は、新興国債券のなかでも「先進国債券に近い債券」といえるでしょう。当局の市場改革の一環で、約3年前に導入された「債券通(Bond Connect)**」を介すことで海外からの投資が容易となったことなどが採用の決め手となり、指数組入れに繋がったといえます。今後も、中国国債は、相対的に高い利回りだけではなく、総じて高いと考えられる投資妙味により、世界の投資家の注目を集めると期待されます。
中国本土と香港間の債券相互取引を指し、海外の機関投資家が香港の決済システムを使い中国本土の債券の取引が可能

【図表】[左図]外国人投資家の中国債券の保有高、[右図]主要国の10年国債利回り
  • 上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。