1月の世界の株式市場は、感染再拡大や米長期金利の上昇を背景に軟調となる場面もあったものの、バイデン米大統領が就任した下旬には、不透明感の後退や新政権下での経済対策への期待などを背景に米主要株価指数が最高値を更新するなど、堅調となりました。しかし、個人投資家の投機的売買などによって米株式市場で一部銘柄が乱高下すると、高値警戒感が強まり、株価は月末にかけて調整し、それまでの上昇を帳消しとしました。
米国では、2月中に、バイデン大統領が向こう1年間の施政方針を示す一般教書演説を行なう予定です。製造業への投資や、環境・インフラ投資などの経済対策第2弾について詳細が語られると見込まれ、同じく月内に示される予算教書や大統領経済報告と合わせて、今後の具体的な政策運営を見通す上での重要な材料になるとみられます。なお、大統領選挙後の混乱で手続きが遅れていたバイデン政権の閣僚人事について、9日に開始されるトランプ前大統領の弾劾裁判までに承認が得られない場合には、承認時期に大幅な遅れが出るとみられます。
日本では、7日に、11都府県に発出された緊急事態宣言の期日を迎えますが、足元の感染状況を受け、政府は全面解除に慎重な姿勢を示しています。対象地域のGDP合計は全国の約6割を占めるため、同宣言の期間が長引けば、経済への重石になるとみられます。一方で、早ければ2月下旬とされる、医療従事者を対象としたワクチンの先行接種がスムーズに進行すれば、経済や金融市場への追い風になると考えられます。
11日からは、中国で春節(旧正月)の大型連休が始まりますが、足元の感染状況を受け、当局は同期間の移動自粛を呼び掛けています。移動制限によるサービス消費への打撃が懸念される一方、感染が再び拡大すれば、経済全体への下押し圧力となるほか、3月初旬に予定される全人代(全国人民代表大会、国会に相当)の日程や、そこで発表される成長目標などに影響する恐れもあります。
そのほか、足元で本格化する日米企業の決算発表は、2月中旬まで続く予定です。米主要IT企業の2020年10-12月期決算への関心が高まっているほか、日本では、2020年10-12月期決算において、2021年3月期の通期見通しが市場の想定を超えるかが注目されます。

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