2020年にユニコーン(主に創業10年以内の企業で評価額10億米ドル以上の未上場企業)入りした企業のうち、業態別評価額シェアでフィンテックが1位となりました。2位には動画・音楽の定額サービスなどのインターネット・ソフトウェア&サービス、3位にはEC(電子商取引)&D2C(Direct to Consumer、自社製品を消費者に直接販売)と、オンラインでモノやサービスを提供する業態が入りました。

この上位3業態は、コロナ禍で経済や社会情勢が大きく変化する中、強い競争力を持つ企業群であり、多くの投資資金を引き付けました。特にフィンテックについては、今後もオンライン消費が拡大することになれば、キャッシュレスで決済する機会がますます増えることなどから、関連企業の成長も期待されます。

2020年にユニコーン入りしたフィンテック企業の顔ぶれを見ると、個人事業者のビジネスに合った特化型保険を提供する企業や親が管理できる子供向けデビットカードを提供する企業、煩雑な不動産の契約業務をオンラインで完結できるサービスを提供する企業など、“利用者に寄り添ったサービス”を提供する企業が目に留まります。

さらに、以下のような“かゆいところに手が届くサービス”などを提供するフィンテック企業もランクインしました。

  • エンジニア不要でシステム開発できる、保険・金融サービス向けソフトウェア
  • グローバル企業向けに新興市場に特化した決済プラットフォーム
  • 決済機能をサイトやアプリに統合するためのシンプルなAPI*ベースの方法
    API(Application Programming Interface)は、他のシステムの機能やデータを安全に利用するための接続方式のこと
  • AI(人工知能)を搭載し、売掛金回収業務を一体化したサービス型ソフトウエア など

デジタル決済の急速な普及で、個人や中小企業向けのサービスが拡がりつつある中、そうしたサービスを提供する側をサポートする企業の台頭も、フィンテックの成長を加速させると期待されます。

【図表】[左図]20年にユニコーン入りした企業の業態別評価額シェア、[右図]20年にユニコーン入りしたフィンテック企業の評価額上位3社の概要
  • CBインサイツ「The Complete List Of Unicorn Companies」(2021年1月時点)の情報をもとに日興アセットマネジメント作成
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