2月の金融市場では、月初から月半ばにかけ、世界的に株高の傾向が続きました。各国で新型コロナウイルスのワクチン普及に向けた動きが進んだことや、米バイデン新政権による経済対策法案の成立について前向きな見方が報道されたことなどを手掛かりに、投資家のリスク選好姿勢が強まり、米国や欧州の主要株価指数が最高値を更新しました。月半ばから月末にかけては、米国の長期金利上昇に伴なう警戒感の高まりなどから、ハイテク株を中心に売られる展開となり、株価は世界的に軟調な推移となりました。

3月は引き続き、米国の1.9兆米ドル規模の経済対策法案を巡る議会の動向が注目されます。与党・民主党の上院トップであるシューマー院内総務は、失業保険給付上乗せ措置が失効する3月14日までには法案を成立させたいとの考えを示しているものの、上院の半数を占める共和党議員は最低賃金の引き上げに反対しており、不透明感も漂っています。また、中旬にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。足元で長期金利が上昇する中、 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は2月の議会公聴会で、長期の金融緩和方針を維持すると改めて述べたものの、その後、長期金利が一段と上昇したこともあり、FOMCの内容に市場の関心が集まっています。

中国では、5日に第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕します。同会議では、2021年度の政府予算案や、中長期の政府成長目標(次期5ヵ年計画:21年~25年)などが審議・発表される予定です。主要国の中でも相対的に高い経済成長が続く同国の方針が示されることから、大きな注目を集めています。

日本では、18日から日銀の金融政策決定会合が行なわれます。日銀は、2013年から実施している金融緩和策の点検作業に着手しており、同会合後に結果が公表される予定です。上場投資信託(ETF)買い入れ方法の一段の柔軟化や、長期金利の変動を許容する幅を拡大するなどの見直しが行なわれるとの見方もあり、点検結果が注目されます。

そのほか、4日にはOPECプラス(石油輸出国機構加盟国および非加盟産油国)の定例会合が予定されています。原油価格が回復傾向となっていることを受け、4月から原油の協調減産の規模が縮小される可能性があり、OPECプラスの方針によっては、原油価格に影響を及ぼす可能性があります。

【図表】3月の注目される金融政策および政治・経済イベント
  • (信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成。スケジュールは予告なしに変更される可能性があります。)
  • 上記は過去のものおよび予定であり、将来を約束するものではありません。