新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、経済や社会のデジタル化が加速するとの期待が高まったほか、主要国・地域で大規模な金融緩和策が実施されたこともあり、昨年来、世界の株式市場ではハイテク株が人気を集めました。中でもNASDAQ100指数の上昇は目覚ましく、米国株式市場の牽引役となりました<左下グラフ>。

NASDAQ100指数は、世界最大の新興企業向け株式市場、ナスダックに上場する企業のうち、金融業を除く時価総額上位100社の株式で構成されます。上位銘柄には、GAFAM+T(Google(持株会社アルファベット)、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft、Tesla)に代表される、卓越した技術力や資本力を持つ世界有数のテクノロジー企業が顔を並べます。同指数には、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)、EV(電気自動車)といった、今後の社会を一変させる技術分野のトッププレイヤーが揃っており、組入銘柄の多くはコロナショック以降、飛躍的な株価の上昇を見せました。

しかし、 今年2月中旬以降、 NASDAQ100指数は上値の重い状況が続いています。足元で米長期金利が上昇傾向となったことや、大規模金融緩和が従来の想定よりも早く縮小されるとの懸念が拡がったことで、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に利益確定売りが拡がったことが影響しています。また、ワクチン接種の普及が進むにつれ、金利上昇や経済活動の正常化が追い風となる、景気敏感株や金融株などが投資家の注目を集め始めたことも影響しています。

一方で、ハイテク企業の業績面を見ると、GAFAM+Tなどの主力銘柄は、 2020年10-12月期決算で次々に過去最高の売上高や営業利益を計上したほか、業績見通しの上方修正や、更なる成長に向けた事業戦略などを発表しました。こうしたことなどから、NASDAQ100指数の予想EPS(1株当たり利益)は他の米株価指数を凌ぐペースで上昇し、いち早く過去最高を更新する水準となっています<右下グラフ>。このことからは、経済や社会のデジタル化は単なる期待にとどまらず、企業の業績にも着実に反映されていることが読み取れます。加えて、経済活動の正常化は多くのハイテク企業にとってもプラスとなることから、今後、株式市場で業績相場の様相が強まる際には、中長期の利益成長性で勝るとみられるNASDAQ100指数が優位に立つと期待されます。

【図表】[左図]主な米国株価指数の推移、[右図]主な米国株価指数の予想EPSの推移
  • 信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成
  • 記載の銘柄について、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。
    また、当社ファンドにおける保有・非保有および将来の銘柄の組入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。
  • 上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。