新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大しているものの、ドイツのDAX指数や欧州のストックス・ヨーロッパ600指数、米国のニューヨーク・ダウ工業株30種、S&P500指数、ナスダック総合指数が8月に最高値を更新するなど、主要先進国・地域の株価は概ね堅調です。

こうした株高を支えている主な要因は、業績見通しの改善です。下のグラフのとおり、米長期金利の上昇が足元で一服となっているのと対照的に、主要株価指数の予想EPS(1株当たり利益)は昨年、底打ちして以降、上昇を続けています。特に、世界的な株価上昇をけん引してきた米ナスダック総合指数の足元の予想EPSは、コロナ・ショック前の水準を大きく上回っています。また、ドイツや日本では、業績予想の改善などに伴ない、予想PER(株価収益率)が過去の平均水準に低下しました。

なお、現在は、ワクチン接種の普及が進んでいる欧米などが景気回復で先行している状況です。しかし、今後、他の国・地域でもワクチン接種が進み、経済活動の正常化が拡がるに連れ、景気や企業業績の改善が勢いを増し、株価のさらなる上昇をけん引すると期待されます。

また、金融政策の正常化に舵を切る先進国・地域も早晩、出始めると見込まれます。ただし、これは、コロナ禍対応で超緩和的となっている金融政策の手綱を正すためであり、慎重に進められる見通しです。そして、景気や企業業績の改善が続く限り、過度に警戒する必要はないと考えられます。

【図表】[上図]主要株価指数の予想EPSと米金利の推移、[下図]主要株価指数と予想PERの推移
  • 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。