フィンテック拡大の流れは、世界的なトレンドに
金融(ファイナンス)とテクノロジーを掛け合わせた「フィンテック」は、その利便性の高さから、私たちの生活を一変させるイノベーションとして注目されています。各国政府のフィンテック推進に向けた取り組みや、スマートフォンの普及などを背景に、ファイナンス関連アプリのダウンロード回数が大きく増加するなど、フィンテック拡大の流れは世界的なトレンドとなっています。こうした中、フィンテックの分野では、これまでにない新たな技術・サービスが次々と誕生しており、大きな注目を集めています。
新たな技術・サービス①:「NFT」
NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、PCやタブレット上で作成したアート作品や音楽などのデジタルデータに、所有証明などの情報を記録し、固有の価値を持たせたデジタル資産を指します。一般的なデジタルデータはコピーや複製が容易ですが、NFTは改ざんが困難なブロックチェーン技術を活用しており、データがオリジナルのものだと証明できるほか、取引履歴を確認できるため転売を防止することなども可能となります。最近では、米Twitter社の創業者ジャック・ドーシーCEOが、同社のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で最初に投稿したツイート(短文)をNFTとしてオークションに出品し、およそ3億円という高値で落札されたことが話題になりました。従来、「1点もの」という価値は、絵画など物理的に存在する物でしか得られませんでしたが、NFTの登場により、デジタルデータにも同様の価値を持たせることが可能となりました。現在、NFTは音楽やゲームなどの分野を中心に活用されていますが、今後はファッション分野での活用や、鍵・チケットとしての機能を持たせるなど、様々な場面での活用が見込まれています。NFTを巡っては、取引時の規制など様々な課題が残っていると言われていますが、デジタルの世界に革新をもたらす可能性もあり、今後の動向が注目されます。
新たな技術・サービス②:「BNPL」
BNPLとは、「Buy Now, Pay Later(今買って、後で支払う)」の頭文字を取ったもので、後払い決済サービスのことを指します。クレジットカードと比べて、ユーザー側の手数料負担が小さいことや、与信にかかる手続きが簡便化されるなどのメリットがあり、分割払いの手数料に悩む人々や欧米の若年層などを中心に、クレジットカードと並ぶ決済手段の一つとして普及しています。また、その手軽さから、新規顧客層の開拓や、ショッピングサイトにおけるリピーターの増加など、加盟店側にとってのメリットも多く、オンラインのみならず、実店舗でもサービス導入が進められています。
このような新しい技術・サービスの誕生によって、フィンテックの成長は更に勢いを増し、今後も市場で大きな関心を集めると考えられます。
![【図表】[左図]世界のファイナンス関連アプリのダウンロード回数、[右図]NFT:高額取引の事例(2021年)](/files/market/rakuyomi/images/rakuyomi_vol-1758.jpg)
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