株式投資には、「バリュー」や「グロース」、「小型」や「大型」など様々な観点があります。今回はその中でも、「クオリティ」の観点に着目したクオリティ株式投資の魅力についてご紹介します。

収益力の強さや財務の健全さなどに着目
クオリティ株式とは、一般に収益力が強く、財務も健全な銘柄を指します。収益力の強さは、利益率や資本効率の高さなどを意味し、ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)などの指標によって評価されます。また、財務の健全さは、負債の少なさなどを意味し、負債比率などの指標によって評価されます。さらに、クオリティ株式を定義する上では、安定的な利益成長を続けているかという観点なども考慮されます。

下値抵抗力に加え、高い運用効率も期待される
クオリティ株式は、その収益力や財務面における優位性などを背景に、長期で相対的に良好なパフォーマンスを示してきたこと(図1)に加え、株式相場の下落局面において下値抵抗力を発揮する傾向もみられました。実際に、1999~2024年における年間騰落率(図2)を確認すると、世界株式が大きく下落した局面で、概ね下落を抑制できたことが分かります。

また、世界株式に対して、リターンが大きい一方、リスクは小さい傾向にあることから、運用効率という観点からも非常に魅力的な投資対象だといえます(図1)。

株価バリュエーションが高い傾向も
なお、クオリティ株式は、その収益力の強さや財務の健全さなどが投資家に評価されやすいことから、株価バリュエーションが高い傾向にあります。また、銘柄選定が難しい場合もあることなどから、投資に際しては、リスク管理の観点から銘柄の分散を行なうのはもちろんのこと、投資信託の活用などにより、銘柄選定をプロに任せるなどの工夫も重要と考えられます。

【図表】(図1)長期で相対的に良好なパフォーマンスを示してきたクオリティ株式
【図表】(図2)下落局面で下値抵抗力が発揮される傾向
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