Vol.117 成長が期待される、中国A株市場

株価指数を開発・算出するMSCIは、「MSCI新興国株式指数」に新たに組入れる、人民元建ての中国本土株式（中国A株）のリストを公表しました。対象となるのは大型株を中心とする234銘柄で、6月1日に実際の組入れが行なわれる予定です。中国A株の採用については、海外投資家による投資に制限が多いことなどが、足かせとなっていましたが、2014年に上海・香港間、2016年には深セン・香港間でストック・コネクト（株式の相互取引）が開始され、海外投資家のアクセスが向上したことから、採用が決定されました。

中国A株の組入れは、6月と9月の2段階で進められる予定で、6月時点の組入比率は0.39％程度と、当初は限定的な規模となる見通しです。ただし、MSCI新興国株式指数は、世界の多くの機関投資家がベンチマークに使用しており、今年行なわれる組入れによって中国A株市場には多額の資金が流入するとされています。こうした資金は中長期的な投資資金になるとみられるほか、現在個人投資家が主体となる中国本土市場において、参加者がより多様化、国際化することで、市場の変動性が低下し、株価が経済動向や企業のファンダメンタルズを反映しやすくなるなどの効果も期待することができます。こうした状況を踏まえ、今年に入り、海外投資家からのストック・コネクトを経由した中国A株市場への純資金流入が大きく増加した月もみられます。今後、中国の市場開放や規制緩和が進むことで、MSCI新興国株式指数における中国A株の組入比率も徐々に拡大されると見込まれ、市場のさらなる成長が期待されます。

注目高まる中国A株市場への投資には、ETF（上場投資信託）の活用をご検討されてはいかがでしょうか。

＊ 最低投資金額（概算）は、2018年5月23日終値×最低売買単位。手数料などの費用は含みません。

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。