海外の債券投資がETFでできる?意外と知らない債券ETF

海外の債券投資がETFでできる?意外と知らない債券ETF

  • 更新日:2022年7月14日(公開日:2019年12月11日)

国債と聞くと、マイナス金利の日本では、あまり魅力のある投資対象のイメージは無いかもしれません。しかしながら、海外に目を向けると、魅力的な利回りの債券は存在します。「個人が海外の債券に投資するなんて難しそう」と思っている方に、ETFを活用した海外債券投資についてご紹介します。

1. 債券投資の基礎知識

一言で「債券」と言っても種類はさまざまです。国が発行する国債が有名ですが、他にも地方公共団体が発行する地方債、一般事業会社が発行する社債や投資法人債などがあります。債券は、発行体(債券を発行する発行主)に対してお金を貸し付ける仕組みで、購入するとあらかじめ決められた利率での利子を定期的に受け取ることができ、さらに満期になると、償還金を額面金額で受け取ることができます。

1-1. 私たちに最も身近な債券、日本国債

私たちに最も身近な債券といえば、日本国政府が発行する国債です。個人向け国債であれば、額面1万円以上1万円単位で購入ができ、金融機関などで購入することが可能です。償還期限や金利は商品によって異なります。詳しくは財務省の個人向け国債(財務省のサイトに移動します)で確認することができます。

1-2. 国債でもらえる金利はいくら?

個人向け国債の場合、最低金利が年率0.05%と定められており、どれだけ政策金利が下がっても1万円あたり5円は金利がもらえます*。今後政策金利が上がれば国債の金利も回復すると考えられますが、1万円で5円はちょっと物足りないと思われる方も多いかもしれません。

*2022年6月30日時点

2. 海外の債券

では、海外の状況はどうでしょうか。実は海外の国債は、日本の国債に比べて金利が高いものがまだまだあります。また、国が発行する国債だけでなく、国際機関や一般の金融機関、事業会社などが発行する外貨建債券も取引が可能です。詳しく見ていきましょう。

2-1. 高い信用力と流動性を誇る米国債券

米国債は、米国政府が元利金の支払いを保証しており、高い信用力と流動性を誇っています。米国債の利回りは、10年債で年率3.01%となっており*、魅力的な利回りを維持しています。日本で米国債を購入する場合、証券会社を通じて既発債(すでに発行されており、流通市場で取引されるもの)を購入するのが一般的で、取引は米ドルとなります。

*2022年6月30日時点

2-2. 高い利回りが期待できる新興国債券

証券会社によって取り扱う種類や数は異なりますが、新興国の債券も購入が可能です。新興国債券は高い利回りを設定されているものが多いのが特徴ですが、その分リスクもあります。現地通貨建ての債券に投資する場合、その国の為替の影響も受けるため、円高に動いた場合は為替の影響で損をしてしまう可能性があります。特に新興国の為替の値動きは比較的大きいので注意が必要です。

2-3. 海外の債券を日本円で取引できる 円建て外債(サムライ債)

海外の発行体が、日本で発行する円建て債券のことを「円建て外債(サムライ債)」と呼びます。通常、海外の発行体は、現地通貨で債券を発行するため、ここまでにご紹介した債券のように日本円から投資をする場合、為替リスクがありますが、サムライ債であれば円貨で発行されるため為替リスクの心配がありません。円建て外債(サムライ債)の数は、外貨建てのものほど多くありませんが、取り扱いのある証券会社から購入することが可能です。

3. ETFでも債券投資が可能

あまり知られていませんが、ETFでも債券に投資することは可能です。日興アセットでは、海外債券を連動対象とした6つの債券ETFをご用意しております。これらのETFは、東京証券取引所に上場しており、株式と同様に取引することができ、全て日本円で投資が可能です。また、投資先の債券の利子を原資として分配金が支払われます*

*分配金額は決算時に収益分配方針に基づいて委託会社が決定しますが、委託会社の判断により分配を行わないことがあります。

3-1. 米国国債に投資ができるETF

「上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)/(為替ヘッジあり)」は、先ほどご紹介した米国国債に投資するETFです。為替の影響を軽減するために“為替ヘッジ”を行う「為替ヘッジあり」と“為替ヘッジ”を行わない「為替ヘッジなし」の2種類をご用意しています。

【ETF用語集】為替ヘッジ


上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)  
上場米債(為替ヘッジあり)

3-2. オーストラリアの国債に投資ができるETF

「上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし)/(為替ヘッジあり)」は、オーストラリアの国債に投資するETFです。東証上場のETFで、オーストラリアの国債に投資する唯一のETFです*。上場インデックスファンド米国債券と同様に、為替ヘッジありと為替ヘッジなしの2種類をご用意しています。

*2022年6月30日時点。当社調べ。

【オーストラリアの国債に投資するETF】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり/なし)
【ETF用語集】為替ヘッジ


上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり)  
上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし)

3-3. 先進国の債券に分散投資ができるETF

「上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型」は、先進国を中心とした債券に投資を行うETFです。国別アロケーションは、アメリカが約半分を占めますが、ユーロや豪州など、世界の国・地域の債券が組み込まれています。日興アセットのETFでは、唯一の毎月分配型のETFです。

最新の国別アロケーションをマンスリーレポートで確認


上場外債

3-4. 新興国債券に分散投資ができるETF

「上場インデックスファンド新興国債券」は、新興国の債券に投資を行うETFです。韓国、マレーシア、中国、ブラジル、インドネシアなど、個人では直接投資をするのが難しい国が組み入れられています。新興国の債券は、リスクが高い分、利率が高く設定されているという特徴があります。分配金利回りは、日興アセットのETFの中でも高い水準となっています*

*2022年6月30日時点。
*将来の運用成果を約束するものではありません。

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上場新興国債

3-4. 分配回数と分配金利回り一覧

債券に投資するETFは、投資先の債券の利子を原資として分配金が支払われます。これまでにご紹介したETFの分配回数と分配金利回りの一覧がこちらです。

銘柄コード ファンド名 特徴 決算回数
決算日
分配金利回り*1 最低投資金額(概算)*2
1486 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし) 米国債券に投資(為替ヘッジなし) 年2回
1月10日、7月10日
2.23% 23,120円
1487 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり) 米国債券に投資(為替ヘッジあり) 年2回
1月10日、7月10日
2.16% 15,860円
2843 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり) オーストラリアの国債に投資(為替ヘッジあり) 年4回
2月10日、5月10日、8月10日、11月10日
0.23% 44,140円
2844 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし) オーストラリアの国債に投資(為替ヘッジなし) 年4回
2月10日、5月10日、8月10日、11月10日
0.49% 50,580円
1677 上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型 先進国の債券に投資 年12回
毎月10日
2.15% 523,000円
1566 上場インデックスファンド新興国債券 新興国の債券に投資 年6回
奇数月の10日
5.00% 43,560円

*2022年6月30日時点
*1 分配金利回りは、税引き前であり、2021年7月1日~2022年6月30日(上場豪債(為替ヘッジあり/なし)は2022年2月14日~2022年6月30日)に支払われた分配金の合計を2022年6月30日の基準価額(信託報酬控除後)で除したものを使用しています。運用状況によっては、分配金額が変わる場合または分配金が支払われない場合がございます。分配金利回りは過去のものであり、投資者の皆様の実質的な投資成果を示すものでも、将来の運用成果や得られる期待利回りを示すものでもありません。
*2 最低投資金額(概算)は、2022年6月30日終値×最低売買単位(当該日に終値がない場合は、その前営業日以前の直近の終値を使用)。手数料などの費用は含みません。

4. 債券の価格変動

債券は、株と比較した場合、値動きが穏やかで、株との連動性も低いと言われています。日興アセットの債券ETFが連動対象とする指数とTOPIX(配当込み)指数の値動きを比べてみても、債券ETFの方が比較的穏やかなことが分かります。一方で、海外債券に投資するETFは、投資する債券の価格変動リスクに加え、為替の値動きに影響される為替リスクがあるので(為替ヘッジをしている場合を除く)注意が必要です。

当社ETFが連動する債券指数の推移(2012年2月~2022年6月)

当社ETFが連動する債券指数(配当込み)の推移

*信頼できるデータを元に2012年2月1日を1,000として日興アセットマネジメントが指数化
*グラフは過去のものであり将来の値動きを約束するものではありません。

5.まとめ

いかがでしたか?あまり知られていませんが、個人では難しいと思われる海外債券への投資も、ETFを利用して実現することが可能です。ETFは、株と同じように売買できるので、すでに証券口座をお持ちであれば、すぐにお取引が可能です。「株だけではなく、債券にも投資を始めてみたい」、「これまで日本国債を持っていたけれど、利回りが低下してしまったので海外債券も検討したい」という方はぜひご検討ください。



記事内でご紹介したETFについて

1486 - 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)(愛称:上場米債(為替ヘッジなし))
商品トップページ
留意事項
商品概要

1487- 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)(愛称:上場米債(為替ヘッジあり))
商品トップページ
留意事項
商品概要

2843 - 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり)(愛称:上場豪債(為替ヘッジあり))
商品トップページ
留意事項
商品概要

2844 - 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし)(愛称:上場豪債(為替ヘッジなし))
商品トップページ
留意事項
商品概要

1677 - 上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型(愛称:上場外債)
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留意事項
商品概要

1566 - 上場インデックスファンド新興国債券(愛称:上場新興国債)
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留意事項
商品概要