小売事業者が注目されがちですが、実は裏側では、
さまざまなロボティクス技術が活用されています。
ECとは
電子商取引(Electronic Commerce)のことで、インターネットなどを通じて行なう物品やサービスなどの取引を指します。スマートフォンなどの普及もあり、これまでも拡大基調にありましたが、コロナ禍での非対面・非接触の動きを背景に、取引が急拡大しました。
BtoB(企業間取引)やBtoC(消費者向け取引)を中心に、最近では幅広い分野で取引が行なわれています。
ECは今後も拡大の見通し
ECはまさに、バーチャルとリアルを融合したビジネスとして、今後ますます注目される分野と言えます。
※上記は過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
今後の視点
ECにおいてロボティクス技術は、今や物流にとどまらず、幅広い分野で不可欠となっています。今後は、ECと実店舗の融合なども進むとみられ、ロボティクスへのニーズは今後も強まるとみられます。
小売ビジネスを支えるロボティクス技術(例)
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信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
ご参考:国内物流ロボティクス市場規模の推移・予測
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出所:(株)矢野経済研究所「物流ロボティクス市場に関する調査(2020年)」2020年9月14日発表
注:物流に関わる倉庫・物流センター等の屋内で利用されているロボットを対象とし、工場などの生産工程で使用される物流ロボットや屋外で稼働する物流ロボット、知能ロボットコントローラ等は含まれない。
※上記は過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
さらに 次世代配送では、ロボティクス技術がますます重要に
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※写真はイメージです
関連銘柄のご紹介
ここでは、ECや小売ビジネスに関連するロボティクス企業を、当ファンド*の投資銘柄より一部ご紹介いたします。
(注)2021年5月末現在、マザーファンドベース
生産・販売などを支える
PTC(ソフトウェア・サービス/米国)
テクノロジー・ソリューションメーカーで、PLM(製品の設計から生産、販売などを一貫して管理するソフトウェア)ソフトウェア大手の一角。小売業における商品のサプライチェーンや物流の管理だけでなく、タイムリーな商品の市場投入など営業戦略も支える。
ダッソー・システムズ(ソフトウェア・サービス/フランス)
顧客企業の技術革新プロセスをサポートするソフトウェア・アプリケーションを提供しており、PLMのトップクラスの企業。小売業におけるサプライチェーンや物流の管理に重要性を増しているソフトウェアを提供するだけでなく、リアルの小売店舗の販売向上に向けた顧客体験ソリューションも支えている。
シーメンス(資本財/ドイツ)
自動化・制御をはじめ、電力や運輸、医療診断などで幅広く展開する技術・製造のコングロマリット。
近年買収によりソフトウェア事業を強化しており、PLMでトップクラス。小売業を取り巻くサプライチェーンや顧客体験向上を背後から支えるソフトウェアを提供。
物流サービス
ダイフク(資本財/日本)
工場や倉庫内で、モノの配送や搬出入、仕分けなどの作業を自動化する物流用機器を製造。
マテリアル・ハンドリング業界の世界トップ企業とされ、物流自動化に不可欠な存在。
ハネウェル・インターナショナル(資本財/米国)
プロセスオートメーション企業の大手であり、ビルオートメーション事業やセキュリティ・テクノロジー、航空関連事業などを手がける複合企業。物流や倉庫の自動化で大手企業を傘下に持ち、小売業にとって不可欠な存在。
アマゾン・ドットコム(小売/米国)
傘下のアマゾン・ロボティクスはAMR(自走式搬送ロボット)の最大手で、既存の自動倉庫やコンベヤーシステムなどのサプライヤーの技術も使いつつ、自社の物流倉庫管理も手掛ける。傘下のZooxを通じて自動運転タクシー(ロボタクシー)の開発にも注力。
小売業者
アマゾン・ドットコム(小売/米国)
自ら在庫を保有して販売するオンライン小売業者であるだけでなく、オンライン小売市場のプラットフォーマーでもある。データを活用したマーケティングでもイノベーターの地位にある。
●業種名は、GICS(世界産業分類基準)に基づきます。
*紹介銘柄は、運用報告書記載の2020年7月20日現在のマザーファンドの組入銘柄に基づきます。各銘柄のコメントについては、資料作成時点でのラザード社のコメントならびに信頼できると判断した情報などをもとに、日興アセットマネジメントが作成しています。
- 上記銘柄について、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。また、当ファンドにおける将来の銘柄の組入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。
From LAZARD ~ラザード・コメント~
コロナ禍が成長を押し上げたECビジネス
2020年初に世界に瞬く間に拡大した新型コロナウイルスによって私たちの生活は大きく変化し、「買い物」という日常的な行動も変化を余儀なくされました。特に都市封鎖で外出を禁じられた欧米では、実際の店舗に出向いて「買い物」をすることが難しくなり、必然的にオンライン・ショッピング、いわゆる「EC」により買い物をすることになりました。このようなコロナ禍での行動の変化が、巣ごもり需要を生み、外食や旅行産業が大きな減収に苦しむ中、家庭用ゲーム産業やPC産業などは特需に沸きました。
そもそもECについては、コロナ禍以前から拡大基調にありました。利便性やロングテール*需要に応えられること、魅力的な価格(リアル店舗や販売員が不要で低コストのため)などの多くのメリットが、その背景です。そこへ、コロナ禍でこれまでECを使ったことがなかった人などに利用者のすそ野が拡がり、改めてECの良さが認識されたものと思われます。
ワクチン接種に伴なう経済活動の正常化とともに、巣ごもり需要は減少すると考えられますが、ECはそのメリットが多いことから、ますます普及していくものと考えています。コロナ前、コロナ禍、コロナ後と異なる3段階のステージで成長が続くECに注目しています。
*一部の人気商品以外の商品を、少ないながらも幅広く取りそろえることで、全体の売り上げ伸ばすインターネット販売の手法の一つ。
小売業の形態変化にも注目
もう一つ、ECを語る上で忘れてはならないのは、ECを含む小売業の変化です。リアル店舗で商品を見てから安価なECで買うという行動、バーチャルで商品を探してリアル店舗で手に取って気に入れば買うという行動、というように「買い物」は双方向に発展していきます。また、人の検索データや、リアル店舗での行動データを、より良い「買い物」体験につなげてもらおうという試みも始まっています。これまで欲しかったのに巡り会えなかったファッションや、今まで魅力に気づかなかった商品との出会いの機会も増えていくと考えられます。
小売業を支えるロボティクスへの投資チャンスは大きい
リアルにせよバーチャルにせよ、商品が製造され、「買い物」という行為を経て消費者の手元に届くまでには、物流・倉庫産業や、データ解析を通じてサポートするソフトウェア産業は欠かせません。多品種少量生産、多様なカスタマイズの時代になり、廃棄ロスに対する環境問題が取り上げられ始めている現在、効率的な在庫管理や物流網構築へのニーズはますます高まっています。
リアルとバーチャルが融合する小売業を陰で支える物流・倉庫産業、それを高度化する様々なサプライヤーには大きなビジネスチャンスが継続的に到来すると考えています。成長する小売業とそれを陰で支えるロボティクスには、今後も大きな投資チャンスがあると考えています。
- ラザード社のコメントは、資料作成時点の市場環境や今後の運用方針等を記載したものであり、将来の市場環境の変動や運用成果などを保証するものではありません。また、運用方針は変更される場合があります。