「グローバル2倍株ファンド」商品開発者が語る設計思想

▲ Top

小林(日興アセットマネジメント、マーケティング部長):
日興アセットは2021年12月15日、「グローバル2倍株ファンド(地球コンプリート)」というファンドを新規設定しました。

当ファンドの設定は、単なるインデックス連動のファンドではなく、「投信という箱」でしかできないことに投信メーカーとしての知恵をしぼり、短期トレードのためでなく長期投資家の効率的な資産形成ツールという価値を提供しようという、『投信ならではシリーズ』の一環です。

これまでの2本、グローバル3倍3分法ファンドグローバル5.5倍バランスファンドは、複数資産にしっかりと分散して長期投資にふさわしいかたちを作った上で、株式・REITのパワーを削がないよう、株式・REITに十分なウエイトを割けるよう工夫を凝らしたファンドでした。私たちはこの2ファンドを、「増やすための分散」、「(多資産分散により)いつでも買えて、いつまでも持てるファンド」となることを目指して作りました。

では山崎さんに、この3本の商品開発を担当した有賀から、設計思想やファンドの仕組みをお伝えしたいと思います。







有賀(日興アセットマネジメント、商品開発者):
先物を上手に活用することで、個人の方では難しいリスクリターンの投資機会を提供しようとする点は過去2ファンドと同じですが、今回は投資対象が株式のみという点が大きく異なります。また、何かの指数に対して2倍のポジションを持つという、指数連動のインデックスファンドではない点も、ひとつのユニークな特徴です。

「地球コンプリート」と正式名称にわざわざカッコ書きしている意味がそこにありまして、地球全部を隅々のところまで徹底的に分散して、それを2倍のエクスポージャー(投資している状態)にしようじゃないか、という発想です。
現時点では流動性などの関係からカバーできないエリアも、将来的にはカバーして「コンプリート(完成)」させながら「地球2つ分」の投資をしていくことを目指すファンドです。

リスクテイクの覚悟と時間が十分ある投資家の方のなかには、自分は債券やREITとの分散投資のかたちはまだ必要ないとか、まだ十分な投資資金が確保できない。でも何とか早くから大きめのリスクテイクをしたい。—そう志向する投資家も多いのではないかと考えました。

今、ナスダック100という指数を2倍にするファンドが人気を集めているようですが、私たちは先の2ファンドと同様、リスクテイクの水準を高くするにしても、できるだけ分散したかたちで2倍にしたいと考えました。

*株価指数先物取引の活用によって、純資産総額の2倍相当額を世界各国の株式に分散して投資を行なうこと。



山崎氏(経済評論家、以下敬称略):
分散っていうのは基本的に投資家がすべき努力だから、これを(ファンドの中で)できるだけ追求するっていうのはいいですね。あとは、例えば新興国とか、あるいはアメリカ株との対比で見た日本株とかって、近年そんなに調子が良くなかったわけだけれども、でもそれがずっと続くわけでもないし、また例えば仮に低成長な経済に投資するにしても、低成長であることが株価に織り込まれている状態で投資すれば、実はリターンが期待できる。高成長が分かっていて高い株価がついている状態に投資するのと、実はどちらがいいかは分からないんですよね。
そういう意味では広い分散の機会を持ちたい。特に長期で持てないものは短期で持ってもダメなんだっていう原則論から言うと、長期で持つためには広く分散されたもので将来の可能性も取り込みたいし、何よりもリスクを分散しておきたい。

そして、それを株式の約2倍のレバレッジでずっと保ってくれるっていうのは、若い人、まだ金融資産の額が小さいけど(将来稼ぎは増える)人的資本の大きな人がエクスポージャーを取っていくためには良い商品っていうか、夢のある商品、あるいは実用性のある商品になりうると思います。


有賀:
ありがとうございます。設計の思いは色々あったのですが、やはり山崎さんが以前から、「若者が早い段階から少額でレバレッジに投資するのはアリだ」とおっしゃっていたのが私の頭の中にずっとありました。あとは今回、「地球上の株式」をなるべくたくさん塗り潰したい(国・地域を極力広く投資する)と考えました。



山崎:
2倍のエクスポージャーでとにかく広く分散するっていうのは、実はとてもオーソドックスな投資だと思うし、投資に興味のある特に若い人は注目したらいいと思いますね。

世界株のなかにおいて、新興国や日本株の比率はだいぶ小さくなってきましたけれども、どういう比率でアロケーションを決めるのかは興味深いですね。


有賀:
マーケット全体を広く分散して捉えるにあたり、アメリカ株をアメリカ株式市場の大きさなりに、日本株は日本株式市場の大きさで持つという考え方です。また、何かひとつのMSCIなどが発表するような指数に連動させるということではなくて、TOPIXやS&P500などの主要な先物や、米国小型株のラッセル2000の先物などなど、そうした先物やETFを活用して、大きさ比例で組み合わせていく形になります。

ポートフォリオとしては半分ぐらいがアメリカ株になりますが、メジャーな先進国ではないところまで、なるべく分散をコンプリートしていくことができる設計になっています。


山崎:
基本的には時価総額比例で持つということでしょうか。


有賀:
はい。1ヵ国を100%程度までにする予定ですが、原則市場の規模(時価総額)に応じて配分します。

*純資産総額比




山崎:
先の2ファンドみたいに、時価総額にこだわらないでマイナスの相関を見つけて利用したりした有賀さんのことだから、何か時価総額以外のアイディアも今後いろいろと試してみられたら面白いんじゃないかと思いますが、時価総額で持つと世界のグローバル運用をしている人たちの平均を持つことができるわけだから、長く有利に運用できる可能性が高いっていう意味では、時価総額ウエイトのポートフォリオっていうのは合理的であると思いますね。


有賀:
はい。ありがとうございます。多くを株式の先物で手当てしますので、先の2ファンド同様に「隠れた効用」にも大きく期待をしています。世界株の2倍なのに為替リスクが非常に限定的になる点です。先進国の先物の場合、基本的に証拠金と評価損益の部分にしか為替リスクが発生しませんから、普通の外国株のインデックスファンドの投資が100%為替リスクを持っているのに対して、とても特徴的だと思いますね。

もちろん、このファンドで使う先物は非常に流動性の高いものばかりなので、コストの点でもトランザクション(売買取引)の点でも非常に効率的な運用ができる設計にしています。

 


小林:
補足ですが、先の2ファンドよりも仕組みがシンプルな分だけ、当ファンドは少し信託報酬を安くできました。残念ながらつみたてNISAの対象ファンドにはなりませんが、つみたてNISAの枠を使い切った上での「本気の積立」のかたちを作るツールとして、ぜひとも活用いただきたいファンドになったと自負しています。


山崎:
この商品の仕組みに加えてコストが低いということは、長期保有にはかなり魅力的な商品になりうるっていうことじゃないかと思います。

為替リスクについて言うと、世界の企業には投資したいが、必ずしも為替リスクは取りたいわけではない人にとって、為替リスクが抑えられたなかで株式のエクスポージャーを広く取ることができるという点は魅力的ですね。


有賀:
ありがとうございます。まさにその点が、先物を使うことの隠れた魅力だと思っています。円から見た外貨という為替リスクが大きく混ざって来ないことによって、投資先企業のビジネスリスクだけをなるべく取ることができるということですよね。


山崎:
また意欲的な商品が出てきたと思います。楽しみに見ていきたいと思います。



※市況動向および資金動向などにより、上記のような運用が行なえない場合があります。



 


「自分には債券やREITとの分散投資のかたちは必要ない」、「まだ十分な投資資金が確保できない」、「でも将来のためには早くから大きめのリスクテイクをしておきたい」―そう志向する投資家を想定して作られたのが当ファンドです。
今、ナスダック100という指数を2倍にするファンドが人気を集めていますが、日興アセットは、リスクテイクの水準を高くするにしても、できるだけ分散したかたちで2倍にしたいと考えました。

3つのポイント

1. 月1万円の積立が長期では月2万円だったのと同じ効果となることを目指して
2. 米国株を最大100%としっかり押さえた上で、米国以外にも100%程度を分散投資
3. 特定の指数に連動させるのではないから、時代に合わせたコンプリート(完成)が可能に

世界各国の株式へ分散して投資を行なうにあたり、株価指数先物取引の活用によって純資産総額の2倍相当額の投資を行なう運用手法を「グローバル2倍株」としています。

【基準価額変動リスクの大きいファンドですので、ご投資の際は慎重にご判断ください。】




1. 月1万円の積立が長期では月2万円だったのと同じ効果となることを目指して

当ファンドはわずかな現金で投資のかたち(エクスポージャー)を取ることができる株価指数先物の特徴を活かし、「純資産の2倍相当の投資」を行ないます。非常に単純化すれば、1万円の投資であっても将来の投資成果は2万円投資していたのと同じようになることを期待したファンドです。
その分日々の値動きとしてのリスクも大きくなるため、ブレを受け入れてでも、長期で増やしたいという“覚悟”が重要なファンドといえます。


 



2. 米国株を最大100%としっかり押さえた上で、米国以外にも100%程度を分散投資

世界市場を時価総額ベースで広くパッシブに押さえます。1ヵ国の投資割合の上限を100%程度と定めているので、「2倍化」した後の米国は約100%の組入れが続くことが想定されます。つまり、米国はしっかり100%分押さえた上で、それ以外の国の企業にも、もう100%分投資するかたち。

いわば“地球2つ分”で国の徹底分散を図りながらも、米国にはしっかり100%分投資―腰の据わった長期投資ツールとして活用したいファンドです。

*株価指数先物取引の活用によって、純資産総額の2倍相当額を世界各国の株式に分散して投資を行なうこと。


 




3. 特定の指数に連動させるのではないから、時代に合わせたコンプリート(完成)が可能に

長期投資をしかも“2倍パワー”で行うにあたっては「地球をできるだけ塗りつぶす(国・地域を極力広く投資する)べき」と考える当ファンドは、特定指数に連動させるインデックスファンドではありません。

S&P500先物などの主要先物はもちろんETFなども駆使して、時価総額ベースで世界の株式市場の大半をカバーします。また、現時点では流動性の問題などで組入れられないエリアの株式なども、将来的に組入れてコンプリート(完成)できる点がユニークな特徴です。

*市場規模などを考慮して世界各国の株式市場に分散して投資を行なうことで、時価総額ベースで世界の大半をカバーした運用 。