宇宙ビジネス
次世代のインフラ、宇宙
現在、地球の周辺で使用中の衛星は1,700を超えます。しかし今後の10年間でその約10倍の数の衛星がローンチされる予定です。
大多数の人はわれわれの暮らしがどれぐらい宇宙や衛星技術に依存しているのかを認識していません。GPSナビゲーションから瞬時のクレジットカード認証、農場栽培の最適化、サプライチェーンの各段階における追跡等まで、衛星データは暮らしに欠かせない、目に見えないインフラとなっています。
脚注:LEOは低軌道周回衛星、MEOは中軌道周回衛星
出所:ARK Investment Management LLC(2018年)、UCS Satellite Database
実は世界人口の約半数の人がインターネットに未だ接続できていません。宇宙ビジネスのソリューションはインターネットを全世界へ普及するきっかけになりうると考えられます。エアタクシー、ドローン宅配、自動運転などにとっても宇宙と衛星技術が不可欠となっていきます。こうした交通手段が生活に浸透していくほど、より安定したインターネット接続への需要が高まります。
民間の参入が宇宙産業を飛躍的に発展させる
民間の参入により宇宙産業にも革新が生まれています。数年前はロケットの再利用は不可能だと思われていましたが、現在は当たり前のこととなりました。その他基幹分野の製造技術としては3Dプリント分野も有望です。設計から製造への時間の短縮、設計者へのパワーシフト、生産ロスの削減、革新的な新しいアーキテクチャーの実現、製造コストの大幅削減により驚くほどコストを抑えたロケットや衛星が製造できるようになっているのです。
宇宙ビジネスの対象となっているエリアは大きく分けて「深宇宙」「静止軌道」「低軌道」の3つありますが、このうち、急速に商業化が進んでいるのが「低軌道」です。そこでは高性能な小型衛星を利用した宇宙ビジネスが活性化しつつあります。宇宙ビジネスはスタートアップ企業のみならず大企業も乗り出す新しいビジネス領域であり、大きな成長可能性を秘めています。