FinTech(フィンテック)
既存ビジネスとの融合で生まれる新ビジネスの破壊力
「フィンテック先進国」である米国や中国では、既に単なるキャッシュレス決済の枠を越え、金融以外にもその影響が拡がっています。例えば米国で始まっている無人スーパーや中国や日本でも試行が始まった無人コンビニ、米国で浸透している配車サービスも民泊サービスも全て、「支払いが空気のように」何の摩擦もなく行えるフィンテック技術と共に生まれ育っています。
それらすべてを包含した「広義のフィンテック」は、まだまだ黎明期と言えます。
新興国の潜在的なニーズをとらえるフィンテックのポテンシャル
先進国と異なりインフラや法規制の整備が遅れている新興国では、その分既存のルールなどに縛られにくいという特性が見られます。また、既存のインフラなどが不足しているからこそ、それに頼らずに斬新なアイデアが生まれやすい傾向が見られます。
金融サービスの潜在的な需要とスマートフォン等の普及を背景に、フィンテックは新興国での「リープフロッグ(蛙飛び)」が特に期待される分野です。
※上記はイメージ図です。
ミレニアル世代がフィンテックの原動力
現金での受け払いや書類の記入といった煩雑さを一番嫌うのが、いわゆるミレニアル世代。2000年代に社会人になった彼らは、インターネットが普及した環境で育った最初の世代であり、幼い頃からスマホやSNSなどのテクノロジーと共に成長してきました。今や米国で最大の世代であり、数年後には世界の労働人口の過半を占めるミレニアル世代は、まさにフィンテックとそれを基盤としたシェアリングエコノミーの原動力です。今後の経済活動の中心が、現金と書類に安心感を覚える世代からデジタルネイティブのミレニアル世代に移行していくということは、アナリストの市場予想などではなく既に決まっている単なる人口動態です。
フィンテックというテーマは短期の流行トレンドなどでありません。人口動態の変化、消費の主体がミレニアル世代に交代するという「決定済みの事実」に付随した長期メガトレンドと言えます。
*それぞれ生産年齢人口に占める割合
出所:国連「World Population Prospects: The 2017 Revision」