プロフィール

池 透暢(いけ ゆきのぶ)
1980年生まれ
高知県出身

車いすラグビー日本代表選手。日興アセットマネジメント株式会社所属。2015年から車いすラグビー日本代表キャプテンを務める。所属クラブチームは高知県Freedom。
信念
思い通りにならないことの方が多いが、挑戦を恐れて一歩を踏み出せないことが一番もったいない。 努力を重ねて得たものにこそ価値がある。
影響力
自身の体験を通じて学んだことを盛り込みながらプレゼンテーションを行なっており、参加者からは、フィールドが違っても、挑戦しつづける池選手の精神力、前向きな姿勢から学ぶことが多く、仕事と向き合うモチベーションが上がる、などといった感想が数多く寄せられている。

見失うことのない原点

見失うことのない原点

2016年に初めてのメダルをとった時、私は天を仰ぎ、メダルを高くかざしました。それは私が何百回もイメージしてきた、天国の友人たちにメダルを見せるという夢が叶った瞬間でした。

私は19歳の時に友人たちと一緒に車の事故に遭い、全身の7割以上にやけどを負い、左足の切断を余儀なくされました。
毎日続く地獄のような痛みに、死んだ方がマシだと両親に当たってしまっていたある日、私は友人たち3人が事故で亡くなっていたことを知らされます。その瞬間、私は死んだ方がマシなどと考えた自分を恥じ、これからの人生を輝かせ、友人たちの分も含めた「生きた証」を残すことを決意しました。

2年半も続いた入院とたくさんの手術を経て、メダル獲得まで17年かかりました。34歳で日本代表のキャプテンに選ばれ、36歳でメダルを獲得できたことで、確かに私は友人たちに「生きた証」を見せるという目標を達成しました。しかしこれで終わりではありません。もっと輝く色のメダルを天国の友人たちに見せてあげることができるよう、一つずつ挑戦を続けます。

これまでの軌跡
池 透暢これまでの軌跡 これからの挑戦
これからの挑戦

変化にチャレンジする。チームを、自分を、
もっと強くするために。

アメリカリーグへの挑戦

2018年8月、日本は車いすラグビー世界選手権*で世界ランキング1位のオーストラリアを破り優勝した。
それは、日本の車いすラグビー史上初めての金メダル。念願の世界一という称号。

しかし、池透暢はすでに次なる大舞台を見据えていた。

*車いすラグビー世界選手権(GIO2018 IWRF Wheelcair Rugby World Championship)

レイクショアへ

2018年11月、池は単身、米国アラバマ州レイクショアに向けて旅立った。
米国は車いすラグビーの強豪国のひとつ。池の米国武者修行が始まった。

世界一は今日だけ。初心に戻って競技に集中したい。そして自分を見つめ直したい。
体力、タイミングともに今だからこそアメリカリーグに挑戦したい。ベストな自分に最短距離で行ける、そう思った。

良い成績を出すことが目的ではない

所属先として決めたチーム「レイクショア・デモリション」は昨シーズン全米17位。全米選手権出場は確実とは言えない。 米国代表やその他各国の代表選手が参加している強豪チームが多々ある中、池が敢えてこのチームを選んだのには、明確な目的があった。

強いチームに入って、良い成績を出すことが目的ではない。 未完成のチームで、チームメイトの可能性をいかに引き出すか、 そしてチームをどこまで上位に引き上げられるか、自分の仕事 がより多いチームに身を置きたい。

立ちはだかる壁

アラバマを拠点にした池。日本との時差は14時間。 米国滞在中も月に1度は日本へ帰国していたが、その肉体的・精神的負担は想像以上だった。 慣れない移動からの疲労に加え、時差ボケの回復に要する時間的ロスも悩ましい。 そしてなにより、チームメイトとの言葉の壁、考え方や文化の違い、モチベーションの違いを痛感した。

試合で劣勢になると気持ちが崩れやすく、ふてくされてしまう選手もいる。

僕が試合の中で伝えたいプレーや技術、そしてチームに対する気持ちがチームメイトに届いているのか、まったく自信がなかった。 それでも心まで敗者になってほしくない。

「チームを強くしたい」と思う池。 しかし、日本代表の戦略を使ったり、教えたりすることはできない。 もどかしいという気持ちと、どこかで妥協点を探している自分に対し、葛藤が続いた。 チームメンバーはそれぞれどのような気持ちでプレーをしているのだろうか。 まずはみんなを知ろう。池は、それから積極的にメンバーと言葉を交わすよう努めた。

手にした切符

コミュニケーションを重ね、最後まで戦い抜くことを徐々に共有したレイクショアのメンバーは急成長を遂げ始める。 一つにまとまり自信をつけたチームは、ついに全米選手権Division1の出場権を得ることとなった。

今日妥協したことでも明日のステップアップに繋げる、チームみんなでより高い到達点を探していきたい。そのために必要だったのが、お互いの時間とコミュニケーション、心だった。

全米選手権

迎えた全米選手権。試合に臨むチームの雰囲気はおだやかで、自信さえ見えた。
しかし、レイクショアは初日から連続2敗を喫してしまう。

決勝ラウンド進出の可能性は断たれ、チームの心は乱れ始めていた。 戦略は相手チームのディフェンスに応じて変更しなければならない。しかし冷静に意思疎通できるのだろうか。 なにより、不安定になってしまったみんなの心を、この大会中に立て直すことができるのか。 いったいどこから何に手を付けていけばいいのか。崩れかけたチームをどう立て直したらいいのか。

チームをどう立て直すかをいろいろと考えたけれど、 「勝てなくても、チームにとってベストなゲームにしよう。」それを伝えるのが一番だと思った。

2連敗したその日の夜、池はチームの主軸選手やコーチらに想いを伝えた。どんな時も決して諦めてはいけないこと、途中でやめてはいけないこと、すべてのプレーで自分のベストを尽くさなければいけないこと。
この大会が終われば日本に戻る。だからみんなにはちゃんと伝えなければいけない。池は必死に言葉にした。

想いを伝えたら「俺もそう思う」と返してくれた。翌日、彼らの動きや気持ちは明らかに違っていた。 このチームは勝利や優勢な状況をエネルギーに変えていくチームなんだと感じた。笑顔が戻ったチームに安堵したし、“もうすぐこのチームとのラグビーが終わる”という寂しさもこみあげてきた。

再びチームの心が一つになったレイクショア。翌日からは4連勝をし、最終的に5位というランキングで全米選手権を終えた。それはチームにとって過去20年で最高位の結果だった。

アメリカで得たもの

葛藤と試行錯誤を繰り返しながら全米選手権までの戦いを終えた池。自分を信頼し、認めてくれた仲間に支えられリーダーとして、精神的にも一回り大きくなった。

言葉の壁や文化の違いで理解し合うことに時間がかかったけれど、諦めずに彼らの考えやバックボーンを聞いたことで、 彼らをもっと尊重することができたし、彼らのプレーも尊重しなければならないと思った。 最大効果を生めるようなチーム作りについて深く考えさせられた。

そして自身のラグビーにも確かな手ごたえを感じていた。

どういう方法で勝利を作り出すかを考えた時、一の手、二の手といくつもの引出しを頭の中で考え出すスピードが上がった。 他の選手の能力をくみ取る力、それを相手チームの選手と重ねた時にどうプランニングしていくかという能力のレベルが上がったように思う。

次なる大舞台に向けて

約半年間の米国での修行を終え日本に帰国した池は、確かな自信を胸に次なる大舞台に向かおうとしている。

米国に行って改めて車いすラグビーと自分にじっくり向き合えた。自分の身体に今まで以上に目を配ることができ、 今後どういうトレーニングをすればよいかが見えてきた。理想的な時間だった。 次の挑戦は日本で自分のパフォーマンスをあげること。米国に挑戦したからこそこの答えが出た。 だから自分はちゃんと次のステップに進めてるんだと思う。

2020年に向け、池の挑戦は続く。

「アメリカリーグへの挑戦 最後の3日間」

車いすラグビーワールドチャレンジ2019を観に行こう!

開催期間:2019年10月16日(水)-20日(日)
開催会場:東京体育館

詳しくはこちら 車いすラグビーワールドチャレンジ2019
オフィシャルサイトへ移動します。

メディア掲載情報


Number(2019年8月2日付)に、池透暢他2名のインタビュー記事「新しい地図・稲垣吾郎×車いすラグビー。日本代表が語る、戦略と言霊。」が掲載されました。
新しい地図・稲垣吾郎×車いすラグビー。日本代表が語る、戦略と言霊。
(※上記リンクは、文藝春秋のサイトへ移動します。)

ニッポン放送「鈴木亮平 Going Up」(2019年8月17日・24日放送)に出演しました。
三菱電機Presents 鈴木亮平Going Up
(※上記リンクは、ニッポン放送のサイトへ移動します。)

朝日新聞(2019年8月25日付)に、池透暢のインタビュー記事「再挑戦、子どもたちとの約束。車いすラグビー・池透暢選手」が掲載されました。
再挑戦、子供たちとの約束。車いすラグビー・池透暢選手
(※上記リンクは、朝日新聞のサイトへ移動します。)

スポーツニッポン(2019年8月28日付)に、池透暢×香取慎吾対談記事が掲載されました。
車いすラグビー・池透暢「声援を力に変えるのは自分たち」 香取慎吾「世の中が変わる大きなチャンス」
(※上記リンクは、スポーツニッポンのサイトへ移動します。)

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