新型コロナウイルスの報道を見聞きしない日はありません。
事態の収束はいまだ見えず、医療の専門家ではない日興アセットが軽々しくコメントすべきではないかもしれません。

しかし、投資信託を通じてマーケットに参加し、マーケットの動揺によって心配されている方に対しては、少しでも参考になる考え方をお伝えしたいと思っています。

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2019年3月2日時点

今、どうなっている?

1. まず、どのような投資資産がどのように動いているかを把握する

両グラフ共にグラフ起点を100として指数化(米国10年債利回りを除く)
上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成。 金:NY金先物、世界REIT:S&PグローバルREIT指数(配当込)、中国株式:上海総合指数、欧州株式:STOXX欧州600指数、米国株式:NYダウ30種 (いずれも現地通貨ベース)、日本株式:日経平均株価


上のグラフに見るように、1月に中国・武漢で新型コロナウイルスの拡がりが確認されて以降も、株式市場などのマーケットはしばらく、米景気の好調を示すデータなどを背景に底堅い動きをしていました。

しかし、2月下旬になると一転、米国の株式市場にも動揺を与え、世界的にリスク資産が下落。一方で金や安全資産とされる米国の債券は買われ、(価格が上がることにより)債券利回りが低下しています。

2. “震源地”の状況は今?

1日も早い収束を願うばかりですが、今最も注目されるのが、感染者の増加ペースです。“震源地”の中国では、厳格な管理のもと感染拡大ペースが鈍化しており、今後の焦点は中国以外の国・地域での拡がりとなりそうです。

信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成

「投信長期投資家」としてどう考えるべきか?


マーケットを最初に動かすのは大抵、その事象の影響を我先にと予測して利益を得よう(損失を回避しよう)とする「超短期投資家」です。投信を通じて長期の資産形成をしているお客様とは時間軸もスタンスも違う人たちですが、「マーケットはひとつ」ですから仕方ありません。

保有している投信の基準価額がマーケットの動揺に巻き込まれて下落し、何をどう考えるべきか悩んでいる方には、以下3つの時間軸での整理をお勧めします。



1.【足元の視点】各国での金融政策や財政政策への期待


世界的な感染拡大が深刻化すると、消費の減退などで世界経済が減速する可能性は確かにあり、2月22日にはIMF(国際通貨基金)が、世界全体でー0.1ポイント、中国で-0.4ポイントの成長率の低下予想を発表しました。

出所:IMF「World Economic Outlook Update,January2020」
上記は過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。


さらなる下方修正の可能性はあるものの、意外と小幅な減速予想と思われたかもしれません。その背景には、今後各国で採られるであろう、経済への悪影響を抑制するための政策があります。

既に中国では、お金の流通を刺激する金融政策や、公共投資などによる景気刺激策が発表されており、今後世界各国でも同様の動きが見込まれています。「常に我先にと予測する」マーケットは、そうした動きを織り込みつつ落ち着きを取り戻す可能性があります。

2.【中期の視点】「需要は消滅しない」という視点

中国で感染が拡大した際にマーケットが懸念したのは、「工場としての中国」の急停止でした。中国からの部品が来なければ、どの国でも製品を完成させることができないからです。

しかし思い出したいのは、「私たち人間の欲には限りがない」こと。部品のストップで我慢したスマホの買い替えや、外出や旅行などを我慢した反動が、やがて世界中で大きく出ることは十分考えられます。「投信長期投資家」として持っておきたい視点です。

3.【長期の視点】「生産性革命」を加速させる可能性

元々人手不足から世界中で進んでいた工場などの自動化投資や、定型業務の自動化機運が、今回を機に加速する可能性があります。日本でもテレワーク(遠隔勤務や在宅勤務)の必要性と、そのためのシステム整備の不足が一気に認識されています。

いずれこの事態が収束したのちに、今回の件は世界中の企業の生産性を高める側面もあったと振り返ることになるかもしれません。

では、何をすべきか?


投資の意思決定は、常にお客様自身であるべきです。もちろん金融機関の窓口で購入した場合は、改めて相談相手となってもらうと良いでしょう(購入時に申込手数料を払っているのですから)。

当社としてお伝えしたいのは、「分からないから・これ以上のマイナスは嫌だから」という感情からの行動は賢明でないかもしれない、ということです。



1. “すべきでないこと”の筆頭は、「分からないから・とにかく売る」といった思考停止


慌てて売ったり、せっかく始めるつもりだったのに「様子見」を決め込んだりするのも避けたいことですが、過去の経験則からより強調したいのは、「投信積立の停止」だけは避けるべきでは?—ということ。毎月定額で行なう投信積立は、口数をより多く“仕込める”下落時こそが、その後の成功のカギを握るからです。

下のシミュレーションを見ても、日経平均は下がって少し戻っただけなのにも関わらず、下落時にもずっと続けた積立は驚くべき結果になったことが分かります。それは2度の大きな下落時に、たくさんの口数を得たからこそなのです。

●期間:2000年1月末~2019年12月末●各月末の日経平均株価に定額積立をしたと仮定したシミュレーションです。税金・手数料等は考慮していません。●資産運用に関する考え方を示すことを目的としたものであり、特定の商品の利回り等を保証・示唆するものではありません。



2. 原点に立ち返る

  ●将来のゴールを思い出す
  ●将来に向けた長期投資ではタイミングをはからない
  ●「サイクル」と「トレンド」を区別し、人の“前を向く力”を信じる

大きな下落を見ると、どうしても悲観で頭が一杯になりがち。しかし思い出すべきは、投資のゴール(目的)と当初“覚悟”した時間軸です。一定以上の長い時間軸だったのなら、「多少の損でも構わないから一度売って、また買えばいい…」などとタイミングをはかるのは正しくないはず(下がっても買えない人は多いものです)。

そもそも、どんな困難があっても常に“前を向く力”が私たちにある以上、「世界経済は本質的に右肩上がり」であり、長期の株価はそれを反映するはずです。下図を見ても、短期的には上にも下にも行き過ぎることはあるものの、株価は経済の拡大に寄り添って上昇してきたことが分かります。

リーマン・ショックからの回復という太い「トレンド」は変わっていないはず。一時的に揺れ動く「サイクル(変動)」を無視し、ぜひ冷静に「THINK BIG―大きく考える投資」のスタンスを継続していただきたいと、日興アセットは考えています。

●IMF「World Economic Outlook Database, October2019」および信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成●2019年以降は国際通貨基金(IMF)の予測、世界株価指数はMSCI ACワールド指数(配当込、米ドルベース)、期間は1987年12月末~2019年12月末●グラフ・データは過去のものおよび予測であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

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