オーナー企業投資は、いつの時代でも通用する「普遍的な投資手法」

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日本には、卓越したオーナー企業が数多く存在する。

そうした企業の中に、新しい時代を切り拓き、日本を代表する企業へと成長する可能性を秘めた企業がある。「ジパング・オーナー企業株式ファンド」は、そんなオーナー企業を投資対象にした株式ファンドだ。

今回は、同ファンドの運用を担当する北原淳平ファンドマネージャーに、オーナー企業投資の魅力について話を聞いた。

北原淳平(きたはら・じゅんぺい)
ファンドマネージャー
2019年日興アセットマネジメント入社
これまで優れた運用成績で評価機関からの受賞多数

― なぜオーナー企業に注目するのですか?

北原(日興アセットマネジメント、ファンドマネージャー):

オーナー企業投資は、いつの時代にも陳腐化しない普遍的な投資手法だと考えているからです。日本の有力企業を見渡すと、新しい時代を切り拓き、誰もが知る大企業にまで昇りつめたオーナー企業が数多く存在します。たとえば、ソフトバンクグループやファーストリテイリング、楽天グループなどは、オーナー企業としての強みを活かして事業を拡大し、巨大企業に成長しました。オーナー経営者は、株式を保有しない経営者とは異なり、実質的に長期的な経営者である場合が多いことや、株主と同じ目線で経営に取り組めることから、強いリーダーシップを発揮しやすい土台を持っていると考えることができるため、オーナー企業投資は普遍的な投資手法だと言えます。

※ 言及している銘柄について、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。また、当ファンドにおける将来の銘柄の組入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。

― オーナー企業とは、具体的にどのような企業を指すのでしょうか?

北原:

原則として、経営者(資産管理会社や親族などを含めた間接的な保有を含む)が発行済株式総数の10%以上を保有する企業をオーナー企業と定義しています。(2021年10月末時点)

日本企業の9割超は中堅・中小企業であり、その多くがオーナー企業だと言われますが、著名な大企業の中にもオーナー企業は存在します。2021年3月末現在、上場企業の中に定義に該当するオーナー企業は、900銘柄程度あります。

― オーナー企業にはどのような強みがあるのでしょうか?

北原:

オーナー企業には4つの強みがあると考えています。

  • 1つ目は、経営者自身が大株主であることです。

    経営者自身が当該企業の大株主であるため、株主視点に立った経営を行なう傾向が強いこと、また、経営成果が株価を通じて自身の資産価値に直結するため、高いモチベーションを維持しやすいと言えます。

  • 2つ目は、中長期的に経営者であることが実質的に担保されていることです。

    オーナー経営者は、中長期的に経営者であることが実質的に担保されており、中長期的な視野で経営を行なう傾向が強いと言えます。

  • 3つ目は、自身が実質的な最終意思決定者であることから、意思決定が速いことです。

    新規事業の参入や撤退など、素速い意思決定につながりやすいと言えます。

  • 最後は、大胆な経営戦略を打ち出しやすいことです。

    株主として最もリスクを取っているのはオーナー経営者であるため、利害関係者を納得させやすく、より大胆な経営戦略を打ち出すことが可能になります。

    一方で、「企業の私物化」や「後継者問題」など、オーナー企業ならではのデメリットも存在するため、オーナー企業のメリットを生かした中長期的な利益成長が期待される企業を分析・選別する力が重要になるとも言えます。

― 市場全体を押さえるインデックス投資と比べて優位性はあるのでしょうか?

北原:

日本株式(TOPIX:東証株価指数)とオーナー企業の営業利益の推移を比較してみると、オーナー企業には市場全体を上回る利益を生み出す傾向があります。株価と利益には、比較的高い連動性がみられることから、利益を生み出す力が強い企業には、株価の上昇も期待できると考えています。

― だからこそ、オーナー企業を投資対象にするわけですね

北原:

株式投資においては、企業が利益を生み出す源泉となる、商品・サービスの開発力や営業力、経営戦略、経営者の資質などの内部要因を調査・分析し、業績の成長が期待される企業を選別する力が重要となります。その内部要因を大きく左右するのが経営者であり、主要株主により実質的な経営が行なわれているオーナー企業の株式に投資を行なうことが有効な投資戦略だと考えています。

― どのように銘柄選定を行なうのですか?

北原:

オーナー企業としての強みや特徴に関する定性分析を重視しつつ、利益成長性、流動性なども勘案して投資候補銘柄を絞り込みます。オーナー企業の経営者への面談(オンラインミーティングなどを含む)*1などを通じて、オーナー企業の経営戦略や収益力を分析します。アナリストによる各企業の利益水準とその方向性に関する予測などの情報を考慮し、さらには経営者による企業の私物化や事業継承、健康面*2などの問題の有無なども勘案して、中長期的な利益成長が期待される企業であるかを判断し、ポートフォリオを構築していきます。

*1 必ずしも、投資候補企業との直接の対面を行なうものではありません。
オーナー経営者の経営戦略などの理解のために必要と考えられる場合に、面談(オンラインミーティングなどを含む)などを活用します。

*2 オーナー経営者の年齢や面談時の会話の様子などを総合的にみて、判断します。

― 面談ではどのような点を重視されているのですか?

北原:

経営者がしっかりとしたビジョンを持っているか、そしてそのビジョンを実現するための戦略を自身の言葉で利害関係者に示せるか、という点を最重視しています。多くの経営者とお話させていただく機会がありますが、ご自身の言葉で、かつ熱くお話してくださるのはオーナー経営者の方が多いような印象があります。

― 数々の受賞歴のある北原ファンドマネージャーの手腕に期待される投資家の方もたくさんいらっしゃいます

北原:

非常に有難く思っています。私自身や弊社アナリストによる銘柄の発掘や選定が、当ファンドのパフォーマンスに貢献できるよう精一杯努めます。ただ、皆さまに強調しておきたいのは、成長期待があるオーナー企業に投資をするというコンセプトが大事だということです。ですから、新しい時代を切り拓く可能性を秘めたオーナー企業を見極め、厳選し、投資し続けることがファンドマネージャーである私の役割であり責任だと思っています。

― 最後に投資家の皆さまにメッセージをお願いします

北原:

時代を問わず将来の社会をリードする会社を発掘し投資していくという当ファンドのコンセプトであるオーナー企業投資は、普遍的な投資手法であると確信しています。そんなオーナー企業投資の強みがより濃く発揮されるのが当ファンドです。ぜひ皆さまの中長期の資産形成にご活用いただければ幸いです。

ファンド概要・コンセプトビデオ(約3分)