当社のサステナビリティ戦略を策定し、その戦略に沿ってイニシアティブが十分に統制・実行されるようにするためには、サステナビリティ部門をグローバルに展開することが不可欠です。グローバル・サステナビリティ・チームは、各拠点の取り組みが当社の重点分野である「ダイバーシティとインクルージョン」、「不平等の是正」、「環境と気候」に合致することを確認しつつ推進します。

グローバル・サステナビリティ・チームは、共同グローバルヘッドの河野大介とJoyce Kohが率いています。チームは、コーポレート・サステナビリティ担当役員であるステファニー・ドゥルーズおよび共同CEOに活動の報告を行い、四半期ごとにグローバル・サステナビリティ・アドバイザリー・カウンシルで最新の情報を提供します。

日本、欧州、ニュージーランド、シンガポール、米国から計9のワーキング・グループが定期開催されるミーティングにおいて、アイデアを共有しています。

ダイバーシティ&インクルージョン


ジャパンLGBTワーキング・グループ

ジャパンLGBTワーキング・グループは、LGBT問題に対する意識や理解を向上させ、LGBTの人々を取り巻く状況を改善するために社内外の変化を促すことを目指して活動しています。当社は2020年に婚姻の平等サポートを宣言し、その最初の一歩として在日米国商工会議所(ACCJ)による「婚姻の平等確立のための意見書」に賛同することを発表しました。また、ワーキング・グループのメンバーはレインボー・クロッシング東京2020のキャリア・フォーラムに参加しました。ダイバーシティとLGBTにフォーカスし、より多様性に富んだ人材にアクセスする、初の取り組みとなりました。

ジャパン・ウィメンズ・グループ

ジャパン・ウィメンズ・グループでは、当社で働く女性の活躍支援体制の強化を目指して活動しています。社員向け研修・エンパワーメントセミナー、社外講師を招いての講演など様々な取り組みを定期的に企画・運営しています。ウィメンズ・グループが草の根レベルでの活動に注力する一方、女性社員の就業環境をさらに向上させるために経営陣主導のトップダウンのイニシアティブにも取り組んでいます。当社は、日本国内の資産運用会社として初めて国連の「女性のエンパワーメント原則」に署名しました*。これらの原則は、当社の女性に関連する様々な方針を策定する際の基本的理念となっています。
*日興アセットマネジメント調べ。2019年4月23日時点。

ジャパン障がい者ワーキング・グループ

ジャパン障がい者ワーキング・グループは、身体的または精神的に他の人と異なる対応が必要な社員のニーズを認識し、ひいては全ての社員にとっての職場環境を向上させることを目指して活動しています。2020年には、米国大手IT企業にお勤めの視覚障がい者の社員を迎え、さまざまな壁を乗り越えた経験や障がいをものともせず常に自分がやりたいことを追求してこられた事をお話しいただきました。また、メンタルヘルスに関するセミナーも開催し、日本ではオープンに語りにくいトピックについて社員が率直に質問できる機会を設けました。

 

不平等の是正


グローバル

2020年に発表された正義、多様性そして公平性についての共同CEOメッセージに続いて、グローバル拠点のボランティアからなるグローバル人種平等ワーキング・グループが発足しました。当グループは社内や社会における人種平等の課題をより深く理解し、その解決策を模索しています。

日本

日興アセットでは従業員が自主的に給与の一定額を特定の非営利団体に毎月寄付する従業員チャリテイプログラムを実施しています。ボランティアからなる委員会が寄付先を選定し、現在は、日本で不要になった子ども用車椅子を海外に送る団体、障がい児音楽教育を行う団体、教育現場の次世代リーダーを育成する団体、そして癌患者やその家族をサポートする団体を支援しています。また国連UNHCR協会も支援しており、毎年難民問題についての社内セミナーを実施し、2019年にはシリアからの学生インターンを受け入れました。

ニュージーランド

ロックダウンが実施されるなど困難を強いられる年となるなか、ニュージーランドオフィスでは慈善団体Tearfundより、現代奴隷制に関する研修を受けました。当研修では、より裕福な国の人々が、現代奴隷制のリスクに対処している事業やサプライチェーンの情報をインターネットなどで収集し、正しく選択することが、問題解決に繋がると学びました。ニュージーランドオフィスでは英国やオーストラリアにおける現代奴隷対策の法制化を受けて、当研修のような活動を通じて現代奴隷制撲滅に取り組んでいます。

シンガポール

シンガポール・オフィスの社員は、その大多数が在宅勤務を開始して2ヵ月目に入る2020年5月に、低所得の女性を支援している団体と恵まれない人々に対して無料の食事を提供する団体の2つの寄付先について募金活動を行いました。12月にワーキング・グループは、低所得家庭の子供たちを対象に読み書き能力の向上に取り組んでいるNPOのReadAbleと協力して「Adopt-A-Lego」募金を設立しました。社員は3歳~11歳の子供たちを対象に、教育支援として43セットのレゴを資金協力し、クリスマスに向けて子供たちに寄贈しました。

欧州

ヨーロッパサステナビリティグループは2020年、フードバンク(食品ロスを引き取って必要とする人に届ける活動)の全国ネットワークを支援する英国NGOであるTrussell Trustのパートナーとしてその活動に協力しました。エジンバラ拠点の社員は、Edinburgh Food Project(Trussell Trustネットワークに参加する団体の1つ)でボランティアを行い、同プロジェクトを支援するために寄付を集めるイベントを開催しました。また、給与天引きで寄付を行うことができる制度を導入し、これにより、社員と各自が選択したチャリティの双方にとって効率的な寄付が可能となっています。

米国

ニューヨークオフィスでは2020年、Bowery Mission Food Kitchenに2度にわたり合計50ポンド(22kg)を超える重さの食糧を寄付しました。また、ハーレムおよびその他の公共サービスが十分に行き届いていないコミュニティに対して、劇場を拠点とする教育プログラムを提供しているClassical Theatre of Harlem(CTH)への支援も行いました。寄付金は、CTHのデジタル作品のハブに提供され、全国の観客に届けることができるようになります。

 

環境・気候


日本

ジャパン環境ワーキング・グループでは環境マネジメントの促進を目指し「省エネルギー・省資源等のオフィス活動の推進」への貢献を中心に取り組んでいます。2020年には国連環境計画・金融イニシアティブやWWF(世界自然保護基金)ジャパンから環境保護のエキスパートを講師として招き、最前線からの提言を学びました。また、在宅勤務や出張削減へのシフトがもらしている環境面のプラス効果について、全社員にアンケートを実施しました。

ニュージーランド

ニュージーランドオフィスでは、サーバーのアップグレードを行った際、機器の機能を向上させる場合に標準的な機器構成にすると電力消費量が大幅に増加するという問題に直面したところ、ITスペシャリストが、使用していないデータを圧縮することで問題を解決してくれました。「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー」と呼ばれるこの技術は、データ保存の点において、標準設定より約90%もエネルギー効率が高いという特徴があります。その結果、ニュージーランドオフィスのサーバー消費電力量は現在、それ以外のアプローチを採用した場合の半分~3分の1程度に下がりました。

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