調査ファイル #3
Tracers S&P500配当貴族インデックス（米国株式）
え？アクティブファンドなの？
S＆P500指数を上回ろうというアクティブファンドなの？ハッキリ、キッパリと聞いてきました。
調査報告
インデックスファンドとして機械的に運用されるんですって。
| 日興アセット 非公式キャラクター |
青い人 |
Tracers S&P500配当貴族インデックス（米国株式）って、要はS&P500指数を上回ろうという「アクティブファンド」なんだ！というのをネットで見たんだけど、うまくやれんの？
| 日興アセット 資産運用サポート部 |
阿部 慎太郎 |
当ファンドは、インデックスファンドです。日興アセットのファンドマネージャーが、S&P500指数の採用銘柄の中から良い銘柄だけを選んで、「S&P500指数を上回ろう！」って運用する「アクティブファンド」ではありません。
S&P社が計算しているS&P500配当貴族指数（税引後配当込み、円換算ベース）に日々連動することだけを目的に、日興アセットは機械的に運用しています。
あ、やっぱりそうなのね。つまり、その連動させる相手が「S&P500配当貴族指数（税引後配当込み、円換算ベース）」ってことだよね？
そうそう。大事なことは、この指数は別にS&P500指数を上回ることを目的に作られていないってこと。S&P500指数が有名ではあるけど、S&P500配当貴族指数も、S&P社が作っているいろいろな指数のうちの一つってことなんだ。
そうなんだー。
S&P500指数は、「時価総額加重平均方式」という計算方法を採用しているから、時価総額の大きい銘柄の比率が高くなる傾向があるんだよ。今ならこんな風にいわゆる大型ハイテク株の比率が高く、その影響を受けやすくなってるんだ。
【ご参考】S&P500指数の業種別構成比
2022年12月末現在
※上記の業種は、世界産業分類基準（GICS）のセクター分類で表示しています。※四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があります。※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
一方、S&P500配当貴族指数は、25年以上も連続で増配中＊などの定量的なフィルタリングをした銘柄を、時価総額加重平均ではなく均等の比率で計算するルールで、今はこんな風になっているんだ。
＊25年以上連続で増配している企業の数が一定数を下回った場合には、連続増配年数が25年に満たない企業の株式も構成銘柄に追加される場合があります。
【ご参考】S&P500配当貴族指数の業種別構成比
2022年12月末現在
※上記の業種は、世界産業分類基準（GICS）のセクター分類で表示しています。※四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があります。※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
なんか対照的な感じだねー。S&P500配当貴族指数は、生活必需品の業種の企業が多くて、業種の偏りも少ない感じ。
うん、とても対照的だよね。大切なことは、S&P500配当貴族指数は、定量的なルールで抽出した結果、たまたまこうなってるってことなんだ。
ただ実際、景気が悪くてもニーズがある生活必需品の企業や、優良企業でないとそもそも連続25年以上の増配なんてできないから、結果的に「守り」に強い銘柄の集まりになるんだろうね。一度でも前年を下回る配当金しか出せなかったら、指数から抜けちゃうというシビアな側面もあるから、採用されているのは、株主を重視した企業の集まりとも言えるかもしれないね。
なるほどね。じゃあ、S&P500配当貴族指数だけでいいじゃん！
いやいや、違う違う。僕の話、聞いてた？
どっちがいいとか、上回る可能性があるとか、そういうことじゃないわけ。例えば、今後、マーケットが「大型ハイテク株イケイケ相場」になったら、そういった銘柄の比率が高いS&P500指数の方がビビッドに反応する可能性が高いと思うんだ。
結局、指数の作られ方をしっかり理解して、上手に使うというのが、一番大事！
はーい。了解です！