
Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)の純資産総額が100億円を突破!(2024年9月3日時点)
日本株をインデックスファンドで持つなら、これくらいシンプルでスマートなロジックで――という
こんなの欲しかった。
「新NISAはオール・カントリー1本でいい」という意見があります。一方最近では「日本比率を増やすチューニング(補正)が必要では?」という声も。当ファンドはそんな方が注目すべきインデックスファンドのひとつです。
❶ |
オール・カントリーでは5%台の「日本比率」。 |
多くの国では、母国への投資比率が高すぎる「ホーム・バイアス」が指摘されます。
しかし日本では、バブル期の失敗のせいか「真逆」の道を辿ってきました。母国株式に見向きもせず、海外株式比率が非常に高いという「逆ホーム・バイアス現象」です。
実際、今の人気はオール・カントリー(全世界株式)のインデックスファンド。
しかしその指数の計算方法は「市場の大きさ順」であるため、足もとの日本比率がたった5%台というのは、確かに気になります。
全世界株式指数の国・地域別構成比率
2024年8月末現在

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高配当という「スクリーニング」。 |
当ファンドは「日経平均株価」という日本を代表する指数ブランドが、2017年に開発した「スマートベータ型(賢い指数)」の指数である日経平均高配当株50指数に連動するインデックスファンドです。
日経平均株価の構成銘柄から、配当利回りの上位50銘柄を機械的に選んだ上で、その流動性(スムーズに売買できるかどうか)を加味した「配当利回りそのもの」でウエート付けする点は、均等配分や時価総額ウエート方式の他の高配当株指数と日経平均高配当株50指数の大きな違いです。
配当利回りの考え方

均等配分や時価総額ウエート方式は採らず、配当利回りの高さそのものでウエートを決める。ただし、流動性も同時に考慮する。
配当利回りが相対的に高い株式への投資は、一般に「守りに強い銘柄」または「バリュー(割安)株」への投資になると考えられています。確かに、高い配当金を払う企業は、安定的なビジネス基盤を持ち、キャッシュフローが潤沢な企業の可能性があります。
日経平均高配当株50指数では、直近3期で赤字の企業を除いたり、市場での売買のしやすさの観点から問題のある企業への比率を抑えたりするなどのフィルターを重ねることで、より信頼度の高い高配当株指数となることをめざしています。

主要株価指数の実績配当利回り
2024年8月末現在

つまり日経平均高配当株50指数は、日経平均株価の構成銘柄という一定の「優良企業選別フィルタリング」を経た上で、「配当利回りと流動性の2つの視点」からウエートを決めた50銘柄に絞り込むという点で、シンプルにしてスマートな指数と考えられます。
日経平均高配当株50指数の構成上位10銘柄
2024年8月末現在
企業 | 業種 | 予想配当利回り | 比率 |
---|---|---|---|
武田薬品工業 | 医薬品 | 4.52% | 4.34% |
日本製鉄 | 鉄鋼 | 4.83% | 4.01% |
アステラス製薬 | 医薬品 | 4.07% | 3.99% |
日本たばこ産業 | 食料品 | 4.62% | 3.66% |
ソフトバンク | 情報・通信業 | 4.22% | 3.51% |
MS&ADインシュアランスグループホールディングス | 保険業 | 4.33% | 3.21% |
商船三井 | 海運業 | 5.35% | 3.13% |
本田技研工業 | 輸送用機器 | 4.28% | 3.07% |
日本郵船 | 海運業 | 4.93% | 3.02% |
みずほフィナンシャルグループ | 銀行業 | 3.82% | 2.98% |
❸ |
「高配当特性」による好パフォーマンス。 |
高配当株式は、相場不調時に相対的に下落が小さくなる傾向があります。また金利上昇の初期段階など、一般にグロース(成長)株相場が不調な時には、バリュー(割安)株として注目を集めることもあります。
下グラフを見ると、そうした特性の積み重ねが長期投資にフィットし、日経平均株価やTOPIXを大きく上回る成果をあげたことがわかります。また、直近10年間で見ても、特にここ数年間の好調さが目立つオール・カントリー指数にも遜色ないパフォーマンスを示していたこともわかります。
主要株価指数の推移
当ファンドのベンチマークの算出開始以来
期間:2001年12月末~2024年8月末

過去10年間
期間:2014年8月末~2024年8月末

日経平均高配当株50指数と日経平均株価を年毎の動きで比べると、上昇には追随しながらも下落局面では下落幅が抑えられる傾向が見て取れます。
日経平均高配当株50指数の年次騰落率
期間:2002年~2024年(2024年8月末まで)

日経平均株価の上昇・下落局面における追随率
期間:2001年12月末~2024年8月末
上昇局面 |
下落局面 |
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上昇局面では追随する一方、下落局面では下落耐性を発揮してきた。
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Tracersだから「低コスト」で。 |
当ファンドの設計にあたって、社内では様々な議論がありました。
「ダイナミックに変わる日本企業への投資価値を知ってもらわねば」「特に日本株ならアクティブ運用では?」「インデックスがいいとしてもTOPIXでいいのだろうか?」――その中で見つけたのが『日経平均高配当株50指数』という、シンプルにして納得感の高い仕組みの指数。
この指数をTracersならではの低コストで提供することが、今の「逆ホーム・バイアス」の日本の投資家の役に立つはずと確信し、税込で0.10725%という大胆なコストで設計されました。
分配金については、2つのニーズへの対応を考えました。
バリュー特性による過去の長期パフォーマンスを重視するなら、ファンドから出る分配金は受け取らずに、販売会社の提供する「再投資コース」を選ぶのが良いでしょう。NISAの成長投資枠を使えば、普通分配金であっても税金はゼロなので、途中で税金を引かれながら再投資するという非効率は回避できます。
一方で、せっかくの高配当株インデックスなら、組入企業の高い配当金に相当する分は受け取りたいというニーズも。分配金の再投資効果よりも「今の現金の価値」を重視することは決して間違っていません。ただし受取型を選ぶのなら、再投資効果を放棄する以上、その分配金はしっかりと使うことを考えたいものです。
なお、無理な分配でファンドの永続性を毀損しないために、設定(2024年1月31日)から3期は無分配とし、2024年9月以降の決算から、組入企業の配当金利回りを目安とした分配金の支払いをめざしていきます。
奇数月分配のイメージ

当ファンドは、新しいNISAの「成長投資枠」の適格ファンドです。
「つみたて投資枠」のインデックスファンドは、連動対象の指数を金融庁が指定する一部に限っているため、残念ながら当ファンドを「つみたて投資枠」で買うことはできません。
しかし、オール・カントリーのインデックスファンドなどを「つみたて投資枠」で「メイン資産」として買い、当ファンドを「成長投資枠」の一括投資や積立投資で組み合わせることで、自分なりの「チューニング(補正)」を行なうことは、一度考えてみる価値がありそうです。