▶ 投信の仕組み
❿ 分配は別にお得じゃない!<後編>
長期投資なら受け取らない?分配金との賢い付き合い方!
パーティー用のお菓子をつまみ食いしてしまったウォレッタとマネタン。
そのときは美味しくて楽しかったけど、せっかくの「詰め合わせ」の量が減っては台無しですよね。
さて、前編「投信の仕組み⑨分配は別にお得じゃない!<前編>」で学んだ投信の分配金。
分配を出すというのは、「投信の箱から現金を外に出す」ことになるので「基準価額がその分だけ下がる」のでしたね。
簡単に言えば、一部解約しているのと経済的には何ら変わらないのが、投信における分配金です。
今日投信を買って、例えば数日後に分配を受け取れたとしたら、振り込んだお金をすぐに解約したのと同じこと。
100万円買って10万円相当の分配が出たとしたら、投信の評価は90万円になっています。
運用せずにすぐ回収するお金にまで申込手数料を支払ってしまったと考えると、分配直前の購入は損ですらあります。
したがって分配金を積極的に、あるいは安定的に出す投信は、お金を長期で増やす目的には適しません。
販売会社によっては、分配金を受け取らずに自動的に無手数料で同じ投信を買い付ける「再投資コース」を選ぶことができますが、受け取らないのであれば元々、毎月分配型など多頻度分配のものを選ぶのは合理的ではありません。
投信によっては、「年1回決算型/毎月分配型」などのように、同じ運用で違う決算の「コース選択」ができるものもあります。
受け取る必要はないが商品性に魅力を感じる場合は、年1回決算型(資産成長型)を選べば良いでしょう。
こういう話をしていると、「分配金っていいことないのかな…」という気持ちになりそうですが、そうではありません。
預貯金を含めた資産の全体設計の中で、バランスファンドによる「ぶれない土台」、長期で大きく増やすための「株式の柱」をセットした後に、それらを途中売却しないで済ませるためにも、定期的な現金創出のために「インカムの器」を持つという考え自体は悪いことではありません。
全体設計と正しい仕組みへの理解のもと、賢く使っていきたいですね。