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#09 資産が増えている投資信託が優秀?

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ポイント

  • 投資信託の資産額が増えているかどうかは、何らかの目安にはなりません。時価でも動くのですから

「資産額」とは

日興アセットのコールセンター宛てに「資産額が増えているのが良いファンド」と考えているであろう問い合わせをいただくことがありますが、答えは「No」です。

まず「資産額」とは、投信でお預かりしている中身の時価評価額のこと。投信の「値段」である基準価額は1日に1回だけ算出されますが、その日の終わり時点で保有している株式や債券などの一つひとつの価格と、その時点で保有している数量(株数など)を掛け算して、全部を足し算すると、その投信の資産額が出ます。

そしてそこから1日分の信託報酬などを控除した上で、その時点の全保有者が持っている口数で割り算したものが、1口当たりの資産額、つまりその日の基準価額となります。

全体の資産額/全保有者が持っている口数=その日の基準価額

基準価額への影響はない

「〇〇ファンドの資産額は増えていますか?」

「資産額が増えている=買う人が多い=お金が回っている=安心」と考えているなら、それは投信には当てはまりません。

先ほどの計算式で考えてみましょう。

この絵で言えば、その投信を買う人がいれば確かに「分子」にはお金が入ってきます。一方で、その投信を買った人がいたということは「分母」の口数も同様に増えるわけなので、買う人が順調に存在すること自体は、基準価額にとって何のインパクトもありません。

解約して「出ていく」人がいる場合も同じこと。分母も分子も同じように減るので、誰かの解約によって基準価額が押し下げられることはありません。

そもそもの話ですが、仮に新たに買う人がひとりもいなくて、その投信にお金が入ってこなくても、投信の運用には何ら支障はありません。逆に毎日お金がジャンジャン入ってくる方が、入ってきたお金で何かを買わなくてはいけないからよほど大変です。

そして、一向にお金が入って来ないその時期に株価が順調に上がっていたら、投信の資産額は順調に増えていきます。なぜなら資産額は「今日の株価×今日の保有株数」の結果ですから。逆に誰も解約していない時であっても、株価が下がれば、掛け算結果である資産額は減ってしまいます。

毎日チェックしても意味はない

そう、投信の資産額は、時価の変動によっても日々大きく動いているのです。毎日チェックしても意味はありません。

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