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#11 新NISAにある2つの投資枠って?

公開日

ポイント

  • 2つの枠とそれぞれの年間上限。2つを合わせた生涯の上限。一方の枠にだけある生涯の上限。――このあたりが新NISAの仕組みの肝

  • 全部埋めようと焦ったり、欲張ったりするのは禁物。中身は普通の投資です。じっくり考えていきましょう

2つの非課税枠

2024年1月から始まった新しいNISAが話題です。

おおざっぱに説明すると、

「積立専用の枠」が毎年120万円(月10万円)まで。それとは別に、「一括投資で買ってもいい(積立で買ってもいい)枠」が毎年240万円まで。この2つの非課税枠は併用がOKなので、なんと毎年合計360万円分までの「非課税投資」ができてしまいます。

つまり売却などした際に生じる利益を、非課税ですべて受け取ることができる制度というわけです。

とはいえ「毎年360万円ずつを何年どこまでも積み上げてもいいよ」ということではさすがになくて、

  1. ● 生涯で投資元本1,800万円が上限

という条件が付けられました。

月10万円の投信積立だけを毎年やっていくと「15年」、月5万円なら「30年」をかけて、生涯の非課税枠1,800万円を埋めていくことになります。なお、それをいつまで運用し続けるか、つまり売却のタイミングは自由。

1,800万円に達した5年後でも10年後でも、いつ売ってもその利益は非課税です。できるだけ長く保有して大きな利益を得てから売却し、大きな非課税効果を享受したいものです。

条件がもうひとつありました。

年240万円の枠の方には「生涯で投資元本1,200万円まで」の上限があります。つまり年間の上限240万円を毎年一括などで投資していくと、5年間で上限に達することに。でもNISA全体の生涯の上限は1,800万円ですから、あと600万円分は積立専用の枠の方で使い切った方が賢そうです。

悩みも多いけど…

つまり最後の最後の売却時の話でしかないわけです。大事なのはやはり、

  1. ● 積立の枠だけでも最大月10万円となると、さすがに1本の投信でいいのだろうか。

  2. ● 積立の枠とそれ以外の枠との使い分けをどう考えたらいいのだろうか。

  3. ● 積立はやっぱりしておきたい。でも実はまとまったお金が手元にあるので、早めに240万円の枠に使っていきたい。

  4. ● 長く運用することが大事だから早めに非課税枠の投資を完了させたいが、一方で急ぎ過ぎると投資タイミングの分散が不十分になるかもしれない。

…悩みは尽きませんね。

どうせ悩むなら有意義に

でも新しいNISAの活用法をあれこれ悩むのは日本人があまりやってこなかった「お金の棚卸し」であり、将来計画そのもの。そろそろ悩まねばと思っていたことですよね。有意義に悩みましょう。

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