「神山流」の経済の見方では、相場観は大事ではありません。長期投資で相場の上下動に一喜一憂することはないのです。株式市場の先行きを考えるなら、まずは投資の目的を明確にしましょう。
なによりも、投資の目的を見失わないように
投資の目的が、長期で増やしたいのか、1年後に1割儲けたいのか、1日で結果を出したいのか・・、によって、見通しを立てる際の要因の重み付けと行動が異なります。現役世代が引退後の「潤いのあるくらし」のための長期投資ならば、トレンドとそれを動かす要因を知っておけば十分でしょう。しかし、趣味の投機ならば、短いサイクルや経済データなどの結果に対する解釈も大事になることがあります。
- 指数の著作権等の知的財産権その他一切の権利は、各指数の算出元または公表元に帰属します。
- (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
- 上記は過去のものであり、将来を予測するものではありません。
世界株式への長期分散投資では、世界経済の成長と仕組みへの信頼と、「人は努力し工夫する」ので、世界のどこかで成功が続くことが確認できれば、サイクルの相場観は不要なのです。
要因ごとに市場が動く方向を考える
それでも、人は経済情勢から市場が動く方向を知りたいものです。株式市場では企業収益が大切ですが、後から結果として知ることになります。市場を動かす「経済」は、消費や設備投資、政府予算、貿易、インフレなどの要因が大切で、この裏側にあるお金の動きがポイントになります。つまり、金融面から中央銀行の政策や金利、為替などが株式市場を動かす、ともいえるのです。
このほか、市場参加者の心理や見通し、社会の志向(ESGなど)、国際政治や地政学も市場を動かす要因となります。
重要性を知り重み付けすること:(売りか買いかで)行動が変わることも
もし「相場観」が必要であれば、目的に応じて要因を重み付けすることがポイントになります。短期の見通しでは市場心理の変化、長期では構造改革や技術革新が大事です。また「短期的に上がる」見通しでも、短期なら戻り売り、長期なら買い増しとなり、目的によって投資行動が変わります。でも、長期投資ならば、相場観ではなく、今起こっていることを整理しておけば十分なのです。