Vol.4では、投資で取るリスクは賭け事ではなく、株式やリートを通じて世界経済の成長に参加すること、ということをお伝えしました。今回は、数ある金融商品の中から、どのように何を選べば良いか、についてお伝えします。

金融商品の特徴を知り、バランス良く組み合わせてみよう

 金融商品(投資商品)には、大きく①価値を保つための預貯金や債券、②空室リスクなどを負うが賃料収入が期待されるリート(不動産投資信託、債券より期待リターンは高い)、③利益の多くを事業拡大に使い事業の成長リスクを負うが、将来の配当増加が期待される株式(期待リターンは債券やリートより高い)といった区別があります。これらを、いろいろな味わいが楽しめる幕の内弁当のように自分のリスクの程度に合わせてバランスよく組み合わせれば、投資の目的を達成しやすくなります

 具体的には、株式・債券・リートなど(以下、各資産)を組み合わせた“バランス型投資信託に投資する方法”と、各資産の全体の値動きを表す指標と同じ動きをするよう設計されたETF(上場投資信託)や投資信託を“自分で組み合わせる方法”があります。後者の方が相対的に運用管理費用は低いのですが、各資産の評価額が増えたり減ったりするので、ご自身で時々配分比率を調整してバランスの良い状態を保つ必要があります。その点、前者のバランス型投資信託であれば、ご自身に代わって専門家に配分比率の調整などの運用を任せることができます。

資産形成世代はバランス型を中心に、引退世代は取り崩しつつ残りを増やす方法も

 資産形成世代は引退後に「潤いのあるくらし」を送るために、今からお金を蓄えておきたいので、世界経済や事業の成長リスク(良くなったり、悪くなったり)を負う代わりに期待リターンが高い株式の配分比率が高めのバランス型投資信託の検討を、引退世代はお金を取り崩していく世代ですから、賃料など定期的に収入があるリートや、一定の利子が支払われる債券などの配分比率が高めのバランス型投資信託を検討してはいかがでしょうか。

 もちろん、人生100年時代の“潤い”の源泉として、一部のお金を配当金が相対的に高い株式への投資や、将来有望とされるロボティクス関連企業への投資などで“楽しみ”を持っていただくのも良いかもしれません。

世界の株価・REIT・債券の指数と均等投資の推移 2013年末~2023年末、月末値
  • (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
  • グラフ・データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。