2021年12月20日、米NASDAQ100指数の構成銘柄の定期変更として、事前に発表されていた新規採用と採用除外される各6銘柄の入れ替えが行なわれました。新規採用銘柄の中には、セキュリティやクラウドサービス関連など、コロナ禍におけるリモートワークの拡がりが追い風になった企業なども含まれています。例えば、オフィス勤務時と同等のセキュリティを確保したクラウドサービスを提供する「ゼットスケーラー」や、クラウドの開発者向けにアプリケーションやログの管理などにも利用可能なセキュリティ・プラットフォームを開発する「データドッグ」などが挙げられます。一方、除外銘柄には、癌などの治療薬を開発する「インサイト」や、ソフトウェア大手米オラクルによる買収が発表された、電子カルテなどを提供する「サーナー」などがあります。
同指数は、世界最大の新興企業向け市場、ナスダック市場にのみ上場する、金融業を除く時価総額上位100社で構成される株価指数であり、GAFAM(Google(持株会社アルファベット)、Apple、Meta Platforms(旧社名Facebook)、Amazon、Microsoft)に代表される世界最大級のテクノロジー企業が顔を並べています。組入銘柄の定期変更は、原則、毎年12月に、同年10月末時点の株価および11月末時点の発行済株式総数を基に、以下のルールに則り行なわれます。
- 既存の構成銘柄の場合、ナスダック市場における時価総額の上位100位以内であれば継続採用
- ①が100社未満の場合、101位から125位までで、かつ前年の定期変更時に上位100位内の銘柄を順に継続採用
- ①および②で100社に満たない場合、既存の構成銘柄以外の中で最も時価総額が大きい順に採用
なお、構成銘柄がナスダック市場以外の米国市場にも上場した際などには、組入基準から外れるため、臨時の銘柄変更が行なわれることになります。2021年は、7月に、航空宇宙事業を展開しているほか、商業用建物向けのセキュリティ技術を提供する「ハネウェルインターナショナル」、8月には、AI(人工知能)による機械学習で次世代アンチウイルスサービスを提供する「クラウドストライク・ホールディングス」が新たに採用されました。
このように、NASDAQ100指数は、常にナスダック市場に上場する時価総額の大きい銘柄が組み入れられるように調整されています。そのため、大きな環境変化を乗り越えて成長を続ける銘柄が採用されることが多く、同指数への投資を行なうことで、厳選された米国の新興企業などの成長の果実を享受できると考えられます。
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