さまざまな品目で価格が上昇している
総務省が3月18日に発表した2月の消費者物価指数(全国、生鮮食品を除く総合)は、前年同月比で0.6%上昇し、コロナ禍以前の2020年2月以来の高い伸び率となりました。品目別では、調査対象全522品目のうち、61.1%を占める319品目が前年同月比で上昇し、特にエネルギーや食料品の上昇が顕著でした。
2月の消費者物価指数には、ロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギーや食料品の価格高騰などが反映しきれていないことに加え、3月以降円安が進行していることや、携帯電話料金の大幅引き下げによる物価の押し下げ効果が4月以降剥落することなどから、今後、物価の上昇が加速するとの見方が有力です。
物価上昇の実感が強まっている
日本銀行が4月7日に発表した「生活意識に関するアンケート調査(2022年3月調査)」によると、1年前に比べて現在の物価が『上がった*』と感じている人の割合が8割強、5年後の物価について『上がる*』と考えている人の割合も8割強に達していることが分かりました(左下グラフ参照)。
『上がった(上がる)』は「かなり上がった(上がる)」と「少し上がった(上がる)」の合計。
1年前の調査では、前者が約5割、後者が7割台半ばであったことから、多くの人が物価上昇の実感を強めていること、将来の物価上昇を引き続き想定していることが確認できます。
物価が上昇すると購買力が低下する
では、物価が上昇すると、どのようなことが起こるでしょうか。例えば、年率2%の物価上昇が20年続くと仮定した場合、現在100万円のモノ・サービスの価格は20年後には約149万円となります(右下グラフ参照)。このように、物価が上昇する局面では、同じ金額で購入できるモノやサービスの量が減ってしまう、購買力の低下が起こります。そのため、物価上昇から資産を守ることが必要となります。
資産運用の必要性について改めて考える
物価上昇から資産を守る有効な手段の1つとして、「資産運用」があります。投資資産の中でも、特に株式やREIT(不動産投資信託)は物価上昇に対応可能な資産として魅力があるといわれます。
もちろん、投資にはリスクがつきものですが、一般に、投資対象を分散することにより、リスクの低減が期待されるほか、時間の分散を図る積立投資や長期投資によって、運用リターンは安定化する傾向があります。また、国内資産に限らず、海外資産も投資対象とすれば、分散効果が高まるだけでなく、世界経済の成長の果実を得やすくなると考えられます。
物価上昇の実感が強まる中、現預金を積み上げるのではなく、物価上昇に負けないように、資産運用を少しずつ始めてみるのはいかがでしょうか。
- 上記は過去のものおよび見通し、シミュレーションであり、将来を約束するものではありません。