日本の金利は依然低水準
足元では、インフレ抑制などを目的に、各国・地域の中央銀行が金融政策の正常化を進めており、世界的に金利は上昇傾向にあります。一方で、日本では、日銀が大規模な金融緩和を行なっており、必要とあれば躊躇なく追加的な金融緩和を行なう姿勢を明確にしていることなどもあり、現在の低金利環境は、当面、続くことが想定されます。

「72の法則」
「72の法則」とは、お金をある一定の利回りで複利運用する場合、元金が2倍になるにはおよそ何年かかるのかを知るための法則です。この考え方によると、日本の銀行で定期預金を活用した場合(1年定期預金の年利率0.004%*、2022年4月15日時点)、預入金を2倍にするには18,000年程度(72÷0.004=18,000)の期間を要する計算になります。円建て定期預金の金利水準では、元金を2倍にするにはとてつもない時間が必要であり、元金を殖やす力に乏しいということが確認できます。
出所:日本銀行「預金種類別店頭表示金利の平均年利率」の預入金額1,000万円以上の利率

一方、主要新興国の10年国債利回り(下記グラフ)の水準では、6~11年程度で投資資金が2倍になるという計算になります。為替や債券価格の変動リスクや信用リスク、税金などが影響を与えることから、実際には計算通りに運用成果を得られる訳ではありません。しかし、債券にも投資を行なうことで、ポートフォリオの分散効果を高めながら安定的に運用することができると考えられます。

【図表1】主要先進国および新興国の10年国債利回り(2022年4月末時点)
  • 上記10年国債利回りは、自国通貨建て債券のデータです。また、切り捨てにて端数処理しています。
  • 上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
  • (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)


インカム収益の積み上げ効果
一般的に、先進国債券は、信用リスクが低く、金利水準も低くなる傾向があります。一方、新興国債券は、金利水準が高い傾向にありますが、信用リスクも高く、価格変動が大きくなりやすい点には注意が必要です。両者のパフォーマンス(下記グラフ)をけん引する要因の一つとしてインカム収益が挙げられますが、これは時間の経過とともに積み上がる収益であり、パフォーマンスの安定化に寄与するといえます。債券投資の魅力の一つである、金利の「力(ちから)」を上手に利用し、長期的に資産をじっくり育ててみるのはいかがでしょうか。

【図表2】先進国債券のパフォーマンス(米ドルベース)1998年12月末~2022年4月末
【図表3】新興国債券のパフォーマンス(米ドルベース)1998年12月末~2022年4月末
  • 先進国債券は、「FTSE世界国債インデックス除く日本(米ドルベース)」、新興国債券は、「JPモルガン・エマージング・マーケッツ・ボンド・インデックス・グローバル・ディバーシファイド(米ドルベース)」より日興アセットマネジメントが作成
  • インカム収益は、上記インデックスの月末の利回りを用いて日興アセットマネジメントが計算
  • 上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。