米国の長期金利がいったんピークを打ったとみられる昨秋以降、世界の主要株価指数は概ね上昇傾向となりました。中でも、英FTSE100指数が今月に入り、過去最高値を更新したほか、主要国・地域の中では、ユーロ圏主要国や香港、台湾などの株価指数の上昇*が目立ちます。MSCI ACワールド指数の直近ボトム(2022年10月12日)~2023年2月17日までの期間
こうした背景として、まず、米国やユーロ圏、英国で昨年12月、相次いで利上げ幅が縮小されたほか、インフレ率が緩やかながらも鈍化傾向となる中、利上げ局面の終わりが近づいているとの観測が拡がったことが挙げられます。また、中国でのゼロコロナ政策の終了が、同国のリオープニング(経済再開)などを背景とする景気回復期待につながっていることも、影響していると考えられます。
ここで、主要株価指数の予想EPS(1株当たり利益)の推移を見ると、足元では、米S&P500指数では緩やかな低下が続いているものの、独DAX、日本のTOPIXの両指数ではほぼ横ばい、米ナスダック総合指数の場合には、悪化に歯止めがかかり、持ち直しに向かいつつあるように見受けられます。
今年は、コロナ禍からの回復過程にある日本で景気加速が予想されているものの、欧米では景気鈍化が見込まれています。ただし、1月末発表のIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、欧米での堅調な需要や、エネルギー価格の上昇一服、中国のリオープニングなどを背景に、世界の成長率が上方修正されました。こうした動きが拡がるなどして、企業業績見通しの回復・拡大が鮮明になれば、今後の株価上昇を支えると期待されます。
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