高インフレを抑制するため、各国中央銀行は対応策を打ち出し、米国は昨年から継続的に政策金利の引上げを行なってきました。こうしたなか、世界景気の先行き懸念が強まっていることに加え、米国では、中堅銀行の破綻で拡がった金融システム不安が更なる懸念となり、利上げ局面も終わりが近いとの見方もあります。また、カナダの中央銀行は、ここ数回、政策金利の据え置きを決定するなど、各国の政策対応が変化しつつあります。

世界経済は中長期で成長を続けている
足元の景気には不透明感がありますが、世界経済は、中長期では着実な成長が見込まれています。左下グラフを見ると、2000年頃の世界のGDP規模は、先進国が大半を占めていましたが、その後、新興国が台頭し、世界全体のGDPの拡大をけん引しています。なお、この間には、金融市場を大きく揺るがした危機が幾度もあり、景気後退に陥る局面があったものの、時間の経過と共にいずれも克服されてきました。目先の景気動向も重要ですが、その先を見据えた、中長期での経済成長を捉えることが大切ではないでしょうか。

足元での経済環境下での投資を考える
現在の経済環境を見ると、日本のインフレ率は欧米に比べて高くはないものの、物価上昇の影響が既にさまざまなところで出始めており、資産の目減りに対する備えの必要性が高まっています。例えば、以前は100円で買えたものが値上がりして110円になった場合、貨幣価値が下がった、ということになります。つまり、インフレ下では預金や現金を持っているだけでは将来的に資産が目減りしてしまうため、その対応策としても、「投資すること」が必要になると考えられます。

世界経済の成長を株式投資で享受する
そこで収益が期待できる資産として、世界経済の成長が享受できる「世界株式」が挙げられます。株式は、一般に景気の影響を受けやすく、特に不透明な経済環境下では価格変動リスクが高まる資産ですが、長期間、幅広い銘柄に分散投資することでそのリスクを軽減することが期待できます。右下グラフは、「10年間(長期)」、「先進国や新興国を含む世界株式(分散)」に「毎月一定額を投資(積立)」をした例です。積立投資とは、定期的に一定額を投資することで、株価上昇時には少なく、株価下落時には多く買い付ける手法で、購入単価を平準化することができます。また、運用残高が増えていくと、複利効果が期待できるため、長期間になるほど効力を発揮します。世界経済の成長を享受するために、株式による「長期・分散・積立投資」を活用してはいかがでしょうか。

【図表】[左図]世界の名目GDPの推移、[右図]〈参考〉世界株式の推移と積立投資のシミュレーション
  • 上記は過去のものおよび予想、シミュレーションであり、将来を約束するものではありません。