米国の長期金利がいったんピークを打ったとみられる昨秋以降、世界の主要株価指数は反発しています。今年3月には、米中堅銀行の相次ぐ破綻などを受けて金融システム不安が拡がったことなどから、株価調整を余儀なくされる場面もあったものの、その下げも概ね埋められました。中でも、日本やドイツの主要株価指数のほか、米ナスダック総合指数などが特に堅調となっています。

こうした背景として、米国で、インフレ率が緩やかながらも鈍化傾向となる中、利上げの打ち止めや利下げが近づいているとの観測が拡がっていることなどが挙げられます。また、中国について、ゼロコロナ政策の終了に伴なうリオープニング(経済活動の再開)などを背景に、景気回復が期待されていることも影響していると考えられます。

ここで、主要株価指数の予想EPS(1株当たり利益)の推移を見ると、独DAX、米ナスダック総合の両指数では上昇基調が鮮明となっているほか、日本のTOPIXについても、緩やかながら上昇基調が続いています。また、緩やかな低下となっていた米S&P500の場合、下げ止まりから持ち直しに向かいつつあるように見受けられます。

今年は、コロナ禍からの回復過程にある日本で景気加速が予想されています。一方、欧米では景気鈍化が見込まれていますが、ユーロ圏では景気見通し引き上げの動きがあるほか、米国でも、景気後退は避けられるか、後退しても程度は軽いとみられています。こうした中、企業業績見通しの上昇が今後も続けば、株価についても、割高感がみられないこともあり、さらなる上昇が期待されます。

【図表】[上図]主要株価指数の予想EPSと米金利の推移、[下図]主要株価指数と予想PERの推移
  • 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。