トルコ中央銀行は8月24日、今年6月以降、3会合連続となる利上げを金融政策委員会で決定し、政策金利を17.50%から25.00%へ引き上げました。通貨リラは、6月および7月の利上げ時には引き上げ幅が市場予想を下回ったことなどから売られ、対米ドルなどで最安値を更新する展開となっていましたが、今回は、利上げ幅が7.5ポイントと、市場予想および前回の2.5ポイントを大きく上回ったことから、一時、急反発しました。

インフレ抑制に向け、中銀は引き締めを継続へ
トルコでは、鈍化傾向にあったインフレ率が7月に9ヵ月ぶりに加速に転じました。中央銀行は、今回の会合後の声明で、力強い内需や、賃金上昇および通貨安を背景としたコスト上昇圧力、サービス分野でのインフレの粘着性、税率引き上げなどの影響から、インフレ率が上昇基調にあることが示唆されているとの見解を示しました。さらに、原油価格の上昇に加え、インフレ期待や価格引き上げ行動が予想以上に強まったこともあり、今年末のインフレ率が従来の予想レンジの上限近くに達するとの見方を示しました。そして、インフレの抑制に向け、適時かつ段階的に、必要なだけ金融引き締めを強化する方針を改めて表明しました。こうした引き締めにより、来年にはインフレ率の低下が期待できるとしています。

なお、今回は大幅利上げとなったものの、これは例外的な動きとみられ、声明のとおり、今後の金融引き締めは漸進的に進む可能性が高いと考えられます。特に、地方選挙が予定されている2024年3月が近づくにつれ、利上げを控えさせようと、大統領が圧力をかける可能性もあります。

信認回復への道のりは長い
高インフレ以外にも、同国は、巨額の経常赤字や低水準の外貨準備など、経済面での脆弱性が目立つことなどから、リラを取り巻く環境は依然、厳しい状況です。

一方、そうした環境が改善に向かうとの兆しが増えれば、市場の評価が変化し始める可能性も否定できません。

【図表】[上図]トルコの物価および政策金利の推移、[下左図]トルコの貿易・経常収支の推移、[下右図]トルコ・リラの推移
  • 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。