一般的に、債券は株式と比べて低リスク・低リターンの資産と言われています。また、株式などの高リスク資産を中心に投資している場合、債券をポートフォリオに加えることで、保有資産全体としてのリスクを低減させる分散効果が期待できます。

債券には様々な種類があり、信用力の高低などによってリスクやリターンに違いが見られます。特に先進国国債など信用力の高い債券では、利回りの水準が相対的に低いことから、高いリターンを狙う場合、より利回りの高い債券への投資を検討する必要があります。しかし、ハイイールド債などは信用力が低いことから、ポートフォリオの信用リスクを高める可能性があります。そこで、高い信用力を保ちながら相対的に高いリターンを狙うための選択肢の一つとして、「年限(残存期間)の長い国債」に投資を行なうという方法が考えられます。

「年限の長い債券」という選択肢
債券は償還までの期間が様々であり、一般に、年限が長い債券ほど、高い利回りが期待できるとされます。これは、償還までの期間が長い分、価格変動や流動性などのリスクにさらされる期間が長くなることから、その代償として投資家がプレミアムを求めるためです。

また、一般に、債券価格は市場金利の上昇局面では下落し、市場金利の低下局面では上昇します。そして、年限の長い債券は、年限の短い債券と比べて、市場金利の変動に伴なう価格変動が相対的に大きくなる傾向があります。こうしたことから、年限の長い債券は、金利上昇時には相対的に大きく価格が下落する可能性があるものの、金利低下時には相対的に大きな価格上昇(キャピタルゲイン)が期待されます。

中長期では年限の長い国債ほど高リターン
米国債を例に、年限が異なる国債(中期・長期・超長期*)の2000年以降のパフォーマンス実績を見ると、年限の長い国債は、リスクが相対的に大きいものの、中長期で高いリターンを獲得したことがわかります【右下グラフ】。
本資料では、中期:3-5年、長期:7-10年、超長期:10年超と定義。

また、中・長・超長期の国債それぞれと、米国株を50%ずつ併せ持った場合のリスク・リターンを見ると、株式100%のポートフォリオに比べて、リターンは低下するものの、リスクは抑制されます。特に、超長期国債と株式を併せ持った場合、単一資産を保有する場合と比べてリスクが大幅に抑えられており、分散効果が大きく働いていることが分かります。

このように、債券は株式との分散効果が期待される資産であるとともに、年限が長いほど、高いリスク・リターンとなる性質を有しています。債券への投資に当たっては、こうした特徴なども考慮し、年限の長い債券への投資を検討してみてはいかがでしょうか。

【図表】[左図]債券が持つ一般的な性質について<債券の年限と利回りの関係性>、[右図]年限が長い国債ほど高リスク・高リターン<米国の中・長・超長期国債および株式のリスク・リターン>(1999年12月末~2023年11月末:月次)
  • (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
  • 上記は過去のものおよびシミュレーションであり、将来を約束するものではありません。