2024年は、「辰巳天井」
相場の世界には古くから、「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」という干支にちなんだ格言があります。2023年の「卯跳ねる」から、2024、2025年の「辰巳天井」へと、この3年間は格言通りに、株式市場の上昇を期待したいものです。
「辰巳天井」の「天井」とは、「高値で推移する」、「高値をつける」などと解釈されますが、過去の辰年の日本株式市場は、どのような相場だったのでしょうか。
ボラティリティ(価格の変動)が意外と高め
格言ですので、必ずしも当たるものではありませんが、過去、6度の辰年の日経平均株価の年間騰落率をみると、大きく上昇した年が多いものの、大きなマイナスもあり、ボラティリティは大きいように思われます。
干支は、厳密には「十干(じっかん)」と「十二支」の組み合わせであり、2024年は「甲辰」にあたります。前回の「甲辰」、60年前の1964年の日本は、大きな経済発展を遂げた年です。東京オリンピック開催や東海道新幹線の開業など、その象徴的な出来事が相次ぎました。一方で、企業業績の悪化が目立つようになり、株式市場は翌年にかけて軟調となりました。
他の辰年はどのような年だったかというと、1952年(壬辰(みずのえ・たつ))は、朝鮮動乱の最中で、資源株や軍需関連株の売買が盛んとなり、株式市場は大幅に上昇しました。
1976年(丙辰(ひのえ・たつ))は、景気が大きく回復した年ではあったものの、ロッキード事件が相場の重石となりました。
1988年(戊辰(つちのえ・たつ))は、バブル経済で株価がピークを付ける1989年に向けて、日本経済が活況に沸いた年でした。
2000年(庚辰(かのえ・たつ))の年は、米国を中心としたITバブルが崩壊し、その影響などから日本株式市場も下落しました。
2012年(壬辰(みずのえ・たつ))は、安倍政権誕生による「アベノミクス」効果が、株式市場の上昇を後押ししました。
こうして辰年を振り返ってみると、高値で推移すると言うものの、波乱もあったようです。
「甲辰」は、始まりの年
さて、2024年(甲辰)は、新NISA(少額投資非課税制度)が始まります。また、「甲辰」の「甲」は、十干において1番目にあたり、物事の始まりや成長という意味があります。格言をどうみるもそれぞれですが、来年は「甲辰」にちなんで、気分も新たに投資を始めてみてはいかがでしょうか。
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