トルコ中央銀行は1月25日、政策金利を42.50%から45.00%へ引き上げることを金融政策決定会合で決めました。利上げは昨年6月以降、8会合連続で、通算の利上げ幅は36.5ポイント(8.50%→45.00%)に及びます。そして、同中央銀行は声明で、必要な金融引き締めは達成されたとの認識を示し、利上げの終了を示唆した一方、現行の金利水準を必要な限り維持すると表明しました。なお、通貨リラは26日にかけて小幅な動きにとどまりましたが、対米ドルで最安値を更新、対円では昨年末の水準を2%程度上回っているものの、依然として最安値圏にあります。

賃上げなどに伴ない、インフレ率は目先、上振れ
トルコのインフレ率(消費者物価指数の前年比、以下同様)の見通しは、中央銀行が11月に発表した予想では、2024年末:36%、2025年末:14%となっています。ただし、同国では最低賃金の大幅引き上げが相次いでおり、昨年1月の54.7%、同年7月の34%に続き、今年1月には49%(昨年1月との比較では100%)引き上げられました。昨年7月の引き上げは臨時措置で、今年の引き上げは1回限りながら、市場予想を上回る大幅な引き上げとなった影響に加え、1年前の物価水準が比較的落ち着いていたことなどもあり、インフレ率は今年5月に70%を超えると金融市場では見込まれています。その後、インフレ率は鈍化に向かうとみられるものの、年末でも40%台と、中央銀行の見通しを上回ると見込まれています。

しかし、インフレが鈍化傾向となっている米国やユーロ圏で今年、利下げが開始されれば、トルコでも、早ければ年後半に利下げが開始されるとの見方があります。一方で、トルコでのインフレの改善には時間を要するとして、利下げ開始は来年以降との見方もあります。

信認回復にはなお時間を要する模様
同国は、インフレ以外にも、経常収支や外貨準備などの面で脆弱性を抱えており、今後の政策運営も容易ではありません。こうした中、金融市場での同国に対する評価の回復やトルコ・リラの底打ち・持ち直しには時間を要するとみられます。

【図表】トルコの物価および政策金利の推移
【図表】[左図]トルコの貿易・経常収支の推移、[右図]トルコ・リラの推移
  • 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。