米・欧では今年、早期利下げに慎重な発言が金融当局者から相次いでいることなどを背景に、利下げ開始時期の予想が後ずれし、長期金利がやや上昇しています。しかし、株価は総じて堅調で、米、独、仏にとどまらず、日本でも主要株価指数が最高値を更新しています。この背景として、後ずれしているとはいえ、年内に米・欧で利下げが見込まれているほか、企業の10-12月期決算の発表時に、堅調な実績だけでなく、良好な業績見通しや株主還元が発表されたことなどが挙げられます。
米・日の主要株価指数ベースの予想EPS(1株当たり利益)の推移を見ると、いずれの場合も上昇基調となっています。中でも、米ナスダック総合指数ベースの予想EPSの上昇が顕著です。
足元では、AI(人工知能)の利用普及やそれに伴なう半導体の需要増を背景に、関連分野での業績拡大が見込まれています。テクノロジー株の構成比率が過半を占めるナスダック総合指数の場合、この影響が強く及んでいるとみられます。ただし、同指数の予想PER(株価収益率)が過去平均を大きく上回っていることが示唆する通り、投資家の期待もかなり高いとみられ、それに応えられるような高成長見通しが続くかどうかが注目されます。
日本でも、半導体関連株などにけん引されて最高値を更新した日経平均株価の場合、予想PERは22倍強と高水準です。一方、TOPIXの予想PERは過去平均をやや上回る程度です。このため、今後は、投資家の関心が出遅れ感の強いセクターにも向けられ、物色対象の拡大を伴なった株価上昇につながることも考えられます。
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