日米の株価は最高値圏で推移
日米の主要株価指数が揃って最高値圏で推移するなど、足元で株式相場の堅調が続いています。折しも今年1月からは新NISA(少額投資非課税制度)がスタートしており、株式投資に対する投資家の注目度は高まりつつあります。

一方で、現在のような高値圏での投資に不安を感じ、安くなるまで待った方が良いのではとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。そこで、本資料では、「いつ投資を始めるのがよいか」について考えたいと思います。

リーマン・ショックで資産価値は約半分に
左下グラフは、「100年に一度の金融危機」と言われたリーマン・ショック直前の2008年8月末に、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数へ300万円を一括投資した場合の投資成果を表したものです。この場合、金融危機後の回復を経て、5年後の資産の評価額は約373万円とプラスになったものの、この間の最大ドローダウン*は約▲48%にも及び、投資元本を回復するまでには4年5ヵ月を要しました(月次ベース)。結果的に、米国株式はその後も大きく上昇しましたが、評価額が半減した資産を、売却せずにそのまま保有し続けるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。このように、一括投資には「投資タイミングを選ぶ」という難しさがあります。
高値から最も下落した期間の下落率

積立投資は「投資タイミングを選ばない」のが魅力
一方、右下グラフは、同じく2008年8月末から、毎月5万円ずつ、5年間積立投資(投資合計金額300万円)を行なった場合の投資成果を表しています。こちらでは、最大ドローダウンは約▲11%と、一括投資に比べて大きく抑制することができました。また、5年後の資産の評価額は、一括投資を大きく上回る、約486万円となりました。

積立投資には、「時間分散」の効果があるとされます。価格が変動する資産に対し、長期にわたって一定額を投資することで、価格が低い時には多く買い、高い時には少なく買うことになります。この手法を「ドルコスト平均法」と言い、全体の平均購入単価を抑える効果が期待できます。このように、積立投資は「投資タイミングを選ばない」ことが大きな魅力であり、投資期間が長いほどリスクに強い投資が可能になることから、長期的な資産形成を行なう上で有効な手法の一つと言えます。

開始時期に悩むなら、まずは積立投資を
一括投資の場合、底値で購入することができれば高いリターンの獲得が期待できるものの、相場の動きを正確に予想するのは困難です。一方、積立投資には、短期間での大きなリターンは期待しにくいといったデメリットはありますが、投資タイミングを選ばず、相場の変動に一喜一憂しなくてよいのは大きな安心感につながります。そして、価格が下がるまで待つよりも、早めに投資を開始すれば、その分、複利効果を高めることも期待されます。

このように、いつ始めてよいか分からない、大きな損をしたくない、という方は、まず少額からの積立投資を検討されてみてはいかがでしょうか。

【図表】S&P500指数に投資した場合の投資成果シミュレーション(円換算ベース) 
  • 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
  • 上記は過去のものおよびシミュレーションであり、将来を約束するものではありません。