5月の金融市場では、米国において、月初にパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長が再度の利上げの可能性は低いと述べたことや、労働市場の過熱感が和らいだことなどから年後半の利下げ観測が強まり、月半ばにかけて主要株価指数が揃って史上最高値を更新しました。その後、FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨の内容やFRB高官の発言などを受けて利下げの先送り懸念が拡がる場面もあったものの、業績期待などから半導体をはじめとするハイテク銘柄が買われ、ナスダック総合指数が改めて最高値を更新しました。日本では、日銀の金融政策が次第に正常化へ向かうとの観測が拡がり、10年国債利回りは約12年ぶりに1%を超えて上昇し、株式相場の重石となりました。

各国・地域の金融政策に注目
米国では11~12日にFOMCが開催されます。5月中旬に公表された前会合(4月30日~5月1日)の議事要旨では、参加者がインフレへの警戒姿勢を示していたことが明らかになりました。そうした中、5月に発表された経済指標は強弱入り混じった内容となり、足元で利下げ開始時期を巡る不透明感が高まっています。6月のFOMCでは政策金利は据え置かれる見通しですが、今後の金融政策を見通す上で、パウエル議長の記者会見や、参加者による政策金利の見通しなどが注目されます。

ユーロ圏では、6日の理事会での利下げ開始の決定が有力視されています。ECB(欧州中央銀行)は前回4月の理事会の声明文で、近く利下げに踏み切る可能性を示唆しており、その後発表された4月の消費者物価指数もインフレの高止まり懸念を和らげる結果となりました。市場の注目点は追加利下げのペースへと移りつつありますが、ECBが重視するサービス価格や賃金の伸びはいまだ高い状態にあることなどから、利下げのペースは緩やかなものになるとみられています。

日本では、13~14日に金融政策決定会合が開かれます。金融政策の正常化に向け、日銀は6月にも月間6兆円程度としている国債買い入れの減額などに動くとみられており、長期金利の先高観が強まっています。

インドの総選挙と米国大統領選の行方
4日には、インドで総選挙の一斉開票が行なわれます。近年のインド経済の発展は目覚ましく、同国は27年までに世界3位の経済大国になると予想されています。与党の優勢が報じられる中、モディ首相の3期目就任が実現するかが注目されます。

5月末にトランプ前米大統領がニューヨークでの刑事裁判で有罪の評決を受けました。量刑の判決を7月11日に控え、6月27日には米大統領選に向けた候補者の初回テレビ討論会が予定されています。トランプ氏は控訴するとみられていますが、選挙期間中に有罪評決を受けた影響は大きいとみられ、再選に向けて逆風が強まる中、同氏の今後の対応について高い関心が寄せられています。

【図表】6月の注目される金融政策および政治・経済イベント
  • 信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成。スケジュールは予告なしに変更される可能性があります。
  • 上記は過去のものおよび予定であり、将来を約束するものではありません。