年に1度の銘柄入替が行なわれる
6月21日、S&P500トップ10指数において構成銘柄の見直しが行なわれ、新たにイーライリリー、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、ブロードコムの3銘柄が採用されました。一方、除外されたのは、テスラ、ユナイテッドヘルス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ケンビューの4銘柄でした。

S&P500トップ10指数とは、S&P500指数の構成銘柄のうち、時価総額上位10社の株式で構成される株価指数です*1。毎年5月の最終営業日を基準日とし、6月の第3金曜日の取引終了後に指数の再構築が行なわれます。構成比率は各銘柄の時価総額により加重されます。

一般に、株式時価総額が大きい企業は企業全体の価値が高く、市場から高い評価を得ていると考えられます。近年では成長性や経営効率などの面でも優位性を示しており、株価も相対的に堅調な値動きとなっています。

市場から高い評価を受ける新規採用銘柄
今回、採用されたイーライリリーは、グローバルに展開する大手製薬会社です。近年、同社の糖尿病治療薬と肥満症治療薬の販売が急拡大しているほか、新たにアルツハイマー病治療薬も米FDA(食品医薬局)から年内に承認されるとみられています。同社売上高の市場見通しは高く、株価は約1年間で2倍に上昇しました(米ドルベース、23年5月31日~24年6月21日)。同社の株式時価総額は、「マグニフィセント7*2」以外で初めて1兆米ドルの大台に乗せる可能性があるとして注目を集めています。

ブロードコムは、半導体の設計・販売などを行なう企業で、iPhoneなどのデバイスに搭載される半導体チップやデータセンター向けストレージなどを手掛けています。AI関連需要の拡大を背景に好調な業績が続いており、AIブームが本格化した22年秋以降、株価は約3.5倍、時価総額は約4倍となりました(米ドルベース、22年10月31日~24年6月21日)

世界有数の総合金融グループ、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは、総資産や収益力などで屈指の規模を誇ります。米国で金融システム不安が拡がった23年、同行は破綻した地銀を買収して顧客を取り込んだこともあり、記録的な利益を上げることに成功しました。同行の多様で強固な事業基盤は群を抜いており、市場でも高い評価を得ています。

時代の勝ち組企業を投資対象とする
このように、S&P500トップ10指数は限定的な銘柄数ながら、特定のテーマやセクターに縛られることなく、市場を牽引するトップ企業や勢いのあるセクターによって毎年再構築されます。いわゆる「時代の勝ち組企業」で構成された同指数への投資をご検討されてみてはいかがでしょうか。

  • 1社で複数の銘柄が上場している場合や、スピンオフ(分離・独立)などの理由から、構成銘柄数が10を超えることがあります。
  • 大手ハイテク企業7社:アマゾン・ドット・コム、アップル、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ
【図表】[左図]S&P500トップ10指数の構成銘柄、[右図]S&P500トップ10指数の推移
  • 記載の銘柄について、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。また、当社ファンドにおける将来の銘柄の組入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。
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