7月は、上旬に米国で9月の利下げ観測が強まる中、米ハイテク株を中心に株価は世界的に上昇基調となり、日本の日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)が揃って最高値を更新しました。ただし、欧州では、仏総選挙後も同国の政治的な不透明感が払しょくされず、周辺国の株価が軟調となる場面がありました。中旬以降は、米国の対中半導体規制強化懸念を受けて世界的に半導体株が売られたほか、米大手ハイテク企業の決算発表後に失望売りが拡がり、ハイテク銘柄が大幅に下落する場面もありました。月末には、日銀が金融政策決定会合において、政策金利を2008年12月以来の水準となる0.25%に引き上げました。また、外国為替市場では中旬以降、政府・日銀による為替介入などを受けて円相場が大幅に円高に振れ、月末には1米ドルが149円台となりました。

米大統領選は民主党が新たな候補者の選出へ
11月の米大統領選挙での再選をめざしていた民主党のバイデン大統領は、党内外で撤退圧力が強まり、7月21日に大統領選挙からの撤退を表明しました。同氏は後継候補にハリス副大統領を推し、ハリス氏も立候補の意向を明らかにしています。民主党は、8月1~5日に実施する電子投票でハリス氏を正式に大統領候補に選出し、19日から開催される党大会に向けて結束を呼び掛けるとみられます。共和党トランプ前大統領の暗殺未遂事件以降、トランプ氏が優勢とも報道される中、民主党の大統領候補が今後どのように選挙戦を展開するのか注目されます。

ジャクソンホール会議での発言に注目が集まる
米カンザスシティ連邦準備銀行が主催する経済シンポジウム、通称ジャクソンホール会議は、ワイオミング州ジャクソンホールで毎年8月に開催されます。各国・地域の中央銀行総裁や財務大臣、経済学者などが経済、金融政策について議論する場であり、中央銀行総裁など金融当局者が講演を行ない、今後の金融政策の方向性について示唆することもあるので投資家も注目する重要なイベントです。特に、今回の会議では、パウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長が9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げを示唆するのではないか、との見方もあり、同議長の発言に注目が集まっています。

引き続き注目される米国の企業決算発表
7月下旬から本格化している米企業の4-6月期決算発表の内容にも引き続き注目が集まります。米国の大手ハイテク企業7社(マグニフィセントセブン)のうち、テスラやアルファベットが7月下旬に決算発表を行ないましたが、好・不調入り混じる内容であったことからその後株価が急落し、ハイテク銘柄全体に売りが拡がりました。8月にはその他多くの大手ハイテク企業が決算発表を控えており、これらの企業動向が株式市場全体に与える影響が大きいとみられることから、市場では高い関心が寄せられています。

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【図表】8月の注目される金融政策および政治・経済イベント
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