日本経済が長いデフレ経済を脱却し、成長軌道を取り戻そうとする動きを見せる中で、株価は先んじて1989年の高値を超えて推移しています。
規模別指数からみる日本経済の姿
1999年末以降の株価推移(下グラフ)をTOPIX(東証株価指数)とその規模別指数と共に見た場合、値動きに違いがあることがわかります。
TOPIX採用銘柄の時価総額上位30銘柄で構成された指数であるTOPIXコア30指数(以下、コア30)の値動きは、一時▲70%を超えて低迷し、足元でもマイナス圏を脱せずにいます。
一方、TOPIX採用銘柄の時価総額上位501位以下の銘柄で構成された指数であるTOPIXスモール指数(以下、スモール)は、値動きの振れ幅は大きいものの、足元ではTOPIXの2倍以上の水準にあります。つまり、日本株式が長く伸び悩んだ背景には、TOPIXの時価総額の40%近くを占めるコア30の低迷が大きく影響したと考えられます。
コア30の構成銘柄である大企業は、リーマン・ショックやその後の急激な円高などの影響などを強く受け、業績が振るわない期間が続きました。
加えて、国内外の機関投資家の投資対象でもあり、海外市場との相対比較により日本株式への投資比率が引き下げられた際に、市場を代表して売られた面もあったと思われます。
堅調な推移を見せたTOPIXスモール指数
一方、スモールには、ニッチ市場ながらも高い競争力を武器に業績を伸ばした企業や、中長期の目線での経営判断が迅速に行なわれる傾向にある新興のオーナー企業、新しい市場を開拓した新興企業などがあり、そうした企業の成長が高いパフォーマンスにつながったと考えられます。
このように、市場全体が低調でも、良好なパフォーマンスを上げる企業群は存在しており、投資妙味が大きい銘柄が多数あると言えます。ただし、スモールに属する企業は、企業規模の小ささゆえに経営が安定しないケースや、法制度の改定により事業環境が大きく変化するケースなどもあり、大型株に比べて銘柄選択の難易度は高まります。
また、スモールは1,600以上の銘柄で構成されており、投資家の資金面での制約や銘柄選択の難しさなどを考慮すると、投資にあたっては、投資信託など専門家の力を利用することが有効と考えられます。
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- 上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。