近年、日本では、投資信託の中でも、基準価額の値動きが特定の株価指数(インデックス)と連動するように運用を行なう「インデックスファンド」が注目されています。なかでも「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(以下、ACWI)」を対象にしたインデックスファンドは人気があり、ACWIも以前に増して、注目度が高まっています。
11月の構成銘柄の入替えが発表に
ACWIとは、米MSCI社が算出する時価総額加重型の株価指数で、先進国および新興国の株式市場に上場する2,687の銘柄によって構成されており、世界の株式時価総額の約85%をカバーしています(2024年10月末現在)。このため、ACWIの動きに連動をめざすインデックスファンドを活用することで、実質的に世界の株式全体に分散投資することが可能となります。
ACWIの構成国は、MSCI社が各国の経済の発展度合いや株式市場の流動性などを考慮し、基本的に毎年見直しを行ないます。また、構成銘柄についても、株式の流動性や時価総額などの面で基準が設けられており、四半期(2、5、8、11月)毎に見直しが行なわれます。今回(11月25日の取引終了後)予定されている見直しでは、ACWI全体で、新たに22銘柄が追加される一方、57銘柄が除外されることが発表されました。なかでも中国は、4銘柄が新規追加される一方、国別では最多の20銘柄が除外されます。
世界景気は軟着陸が見込まれる一方で、下振れリスクの可能性も
さて、株式投資に深く関わる世界景気を把握するには、IMF(国際通貨基金)が発表する世界経済見通しが参考になります。IMFは最新の世界経済見通し(10月22日発表)で、世界のGDP成長率について、2025年は前回7月の想定から0.1ポイント下方修正し、前年比+3.2%としました。インフレが鎮静化に向かう中、軟着陸シナリオ自体は維持したものの、世界の成長率は中長期的にも3%程度と、勢いを欠く可能性が高いとしています。また、多くの国で国政選挙が実施されることもあり、政策面での不透明感が強い中、見通しに対するリスクは下振れ方向に傾いているとしています。紛争の激化などの地政学リスクのほか、追加関税の応酬のような保護主義的政策に伴なう貿易の混乱、米欧などでの移民の制限、金融市場の混乱などを挙げています。
経済見通しは、必ずしも当たるものではありませんが、株式市場の動向に影響を与えるため、注視する必要があります。かと言ってタイミングを図って投資をすることは難しく、市場が上昇する機会を逃さないためにも、常に市場に居続けることが重要になります。世界の株式全体に分散投資する「ACWIの動きに連動をめざすインデックスファンド」を活用して、市場に居続ける投資を行なってはいかがでしょうか。
- 資料に示す指数の著作権等の知的財産権その他一切の権利は、指数の算出元または公表元に帰属します。
- 上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。