株式投資には様々な投資手法がありますが、代表的なものとしてバリュー(割安)株投資やグロース(成長)株投資があります。今回は、その中でも、株価の割安性などに着目するバリュー株投資の魅力についてご紹介します。
企業価値の再評価に伴なう株価上昇などが魅力
バリュー株とは、利益や純資産などから導出される企業価値に対して、株価が割安な銘柄のことをいい、割安株とも呼ばれます。バリュー株投資の魅力としては、主に3点あると考えられます。
一つ目に、市場において企業価値が再評価された場合、適正水準に向かって株価が上昇すると期待されます。二つ目に、業績が安定的な企業が多いほか、株価が既に割安なことなどから、バリュー株の株価下落リスクは相対的に小さくなる傾向があります。三つ目に、利益を配当として還元する成熟企業が多いことなどから、バリュー株の配当利回りは相対的に高い傾向があります(図1)。
軟調な局面での下落幅が相対的に小さい傾向も
2001年以降の年間騰落率の推移(図2)からは、株式相場の軟調局面における下落幅が相対的に小さい傾向のほか、バリュー株優位やグロース株優位の時期が一方的には続きにくく、入れ替わる傾向なども読み取れます。一般に、先行きが不透明な状況では、成長性よりも安定性が評価されやすく、バリュー株は投資家にとってより魅力的な選択肢になるとみられます。
株価が割安な背景を確認することが重要
一方で、株価が割安ということは、その企業の将来の成長性の低さや業績悪化のリスクなどを市場が織り込んでいる可能性があります。また、投資したバリュー株の株価が再評価などによって上昇せず、割安なまま放置され続けてしまう「バリュー・トラップ」に陥るリスクもあります。こうした点などを考慮し、バリュー株投資においても、リスク管理の観点から銘柄の分散を行なうのはもちろんのこと、投資信託の活用などにより、銘柄選定をプロに任せるなどの工夫も重要と考えられます。
- 上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
- 信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成