12月は、米国での利下げ期待やハイテク株の上昇などを背景に、世界株式は月半ばまで概ね堅調に推移しました。しかし、月後半には、米FOMC(連邦公開市場委員会)において、会合参加者の政策金利の見通しが上方修正され、2025年の利下げ回数が2回と、従来予想から半減したほか、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長も今後の利下げペースの減速を示唆したことなどを受け、株式相場は大きく調整しました。ただし、その後は落ち着きを取り戻し、月末にかけて底堅い推移となりました。
米国の新たな大統領にトランプ氏が就任
米国では20日に、大統領就任式が行なわれ、トランプ新政権が発足します。トランプ氏は以前に「大統領就任初日は独裁者になる」と発言したこともあり、20日以降、大統領の権限のみで実行できる大統領令を多数発令するとみられます。同氏は関税引き上げや不法移民の取り締まり強化、脱炭素政策の転換などに強い意欲を示しており、これらの分野について、いつ、どのような動きをみせるのか、世界中から関心が寄せられています。
主要国・地域での金融政策決定会合が相次ぐ
今月は主要国・地域で金融政策決定会合が相次いで開催される月となっており、23日からは、日銀の会合が開かれます。昨年12月の前回会合では、政策金利が据え置かれたほか、植田総裁が会見で追加利上げに慎重な姿勢を示したと市場で受け止められたことなどから、会合後に円相場は大きく下落しました。1月の会合を巡っては、足元で進んだ円安を受け、日銀の判断や植田総裁の発言内容などに変化がみられるのか、注目されます。
28日からは、米国でFOMCが開かれます。前述の通り、前回のFOMCを受けて株式相場が大きく下落したことなどから、投資家は米金融政策の動向に神経質になっているとみられます。そのため、1月の会合の内容はもちろん、FOMC開催までに発表される12月の雇用統計などの経済指標の内容や、FRB関係者の発言などにも関心が集まっています。
また、30日には、ECB(欧州中央銀行)の政策理事会が開催されます。昨年12月の理事会では、ドイツを中心に欧州経済の減速懸念が強まっていることなどを背景に、3会合連続となる利下げが決定されたほか、2025年の追加利下げも示唆されました。米国のトランプ次期大統領が関税引き上げなどの政策を実行した場合、欧州で景気鈍化やユーロ安を通じたインフレ再燃への懸念が強まる恐れもあり、景気と物価の安定の両立に向けたECBの舵取りが注目されます。
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