2会合連続で政策金利を据え置き
米FRB(連邦準備制度理事会)は、3月18・19日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、市場予想通り、政策金利(FFレートの誘導目標)を4.25~4.50%で据え置くことを決定しました。声明では経済見通しに対する不確実性の高まりに言及し、パウエルFRB議長も会見で、不確実性は異常なほど高まっていると指摘しました。
なお、連邦政府の債務残高が法定上限に近づく中、保有資産を圧縮する量的引き締めのペースの緩和を決め、現在、月250億米ドルとしている、国債償還に伴なう保有証券の削減額の上限を、4月以降は月50億ドルとしました。
また、会合参加者の見通し(中央値)では、今年のGDP成長率が下方修正された一方、物価上昇率は上方修正されましたが、年内の利下げの想定は0.5ポイントで変わりませんでした。
経済成長には下振れ、物価には上振れのリスク
パウエル議長は会見において、経済は堅調で、労働市場については概ね安定し、インフレ圧力の要因ではないとの見解を改めて示しました。また、インフレについては、依然としてやや高いものの、大幅に緩和されたと評価しました。そして、こうした状況下、経済の先行きがより明確になるまで待つことができる良いポジションにあり、急いで政策を調整する必要がないほか、必要に応じて、利下げをすることも、十分に引き締め的な金融政策を維持することもできるとの見解を示しました。
なお、この1、2月にモノの物価が上昇したのは予想外のことで、関税政策の影響が出ている可能性があるとしました。また、家計や企業の景況感の足元での悪化については、不確実性の拡大や景気懸念が顕著に表れているとしたものの、景況感と実際の経済活動との関連性はそれほど強くないとした上で、実際の経済指標にも弱さが見られるようになるのか見極めていくとしました。
金融市場では、年内に2、3回の利下げを想定
金融市場では、次の利下げは6月との見方が強く、それを含め、年末までに0.25ポイントの利下げが2回という見方がやや優勢でしたが、今回のFOMCを経て、年内にあと3回利下げとの見方がやや強まりました。
![【図表】[左図]米国の消費者物価上昇率(前年同月比)と金利の推移、[右図]米労働市場の主要指標の推移](/files/market/rakuyomi/images/rakuyomi_vol-2079_01.jpg)
![【図表】[上図]年内のFOMC開催予定(下段:議事要旨の公表日)、[下図]25年3月のFOMC参加者の見通し(中央値)](/files/market/rakuyomi/images/rakuyomi_vol-2079_02.jpg)
- 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。